こんばんは、wataizuです!
最近定時投稿が落ち着いてきました!嬉しいです!
有言実行苦手な自分だったので「遅れて投稿します」が連続した週は「あぁきっとこれからも遅れて投稿するんだろなぁ」なんて思ってたんですよ。
でも今はしっかりと投稿できている。
それは多分皆さんが作品を斡旋してくれているからなんですよね。
見ないといけないみたいな義務感もあるのですが触れてみたいという好奇心もあって。それらが動力となって図書館などにいって本を借りたり、合間塗って作品を見ることに繋がったのかなと思います。
そこで!
サムネイル画像がレビューする作品のポスターにしたいので一番下にレビューしてほしい作品を送るツイートを置いておきました。
否定的な感想になってしまうかもしれないということを理解したうえで依頼してくれると嬉しいです!
できるだけ早く見ます。
今日はアニメのレビューをしたいと思います!今日の作品もレビューを依頼された作品です。
大正時代創設の、未婚の女性のみが舞台に立つ紅華(こうか)歌劇団。その舞台に立つ人材を育成する紅華歌劇音楽学校に第100期生として入学した、178cmの長身を持つ天真爛漫な少女、渡辺さらさ(わたなべ さらさ)、元・国民的アイドルの奈良田愛(ならた あい)の希望と葛藤に満ちた日々が幕を開ける。
(U-NEXTより抜粋)
今日レビューするアニメは『かげきしょうじょ!!』です。
本作品は2021年のアニメで9月26日に終わった最近のアニメです。制作会社はPINE JAM(パイン ジャム)。『ゲーマーズ!』や『グレイプニル』を手掛けた制作会社です。
そんな本作品は宝塚をモチーフにした話です。
男役や娘役などの概念や歌劇学校で運動会をやるところなどから宝塚をベースにしているのがわかります。
宝塚………シビアな世界ですよね。日本テレビ系のバラエティ番組「深イイ話」で宝塚に受験する少女達のドキュメンタリー企画をやっていたことがあって、それで自分は何回か見たことあるんですよ。
一次試験は年齢、体重、受験経験回数語るだけ。その数秒で大半の受験生が落とされるんですよね。みんなハキハキとしてして「腹から声だしているんだな」と思わせるくらいの声量の人でも落とされる。それが一次試験です。
そして二次試験。楽譜を渡されてその通りに歌うという「新曲視唱」。初めて渡された楽譜を読みながら歌う。
歌声の美しさは勿論、咄嗟に渡された初見の楽譜を読めるかという音楽教養やメンタルの強さが問われる試験です。
この試験故に倍率は20倍。東大の6倍ぐらいの超シビアな世界。
まぁ紅華歌劇学校(以後、紅歌)の入学試験はどうなのかは語られてないのでわからないですがこれだけの試験を潜り抜けてきた前提で話を始めていくので登場人物達が恐ろしいです笑
前置きはこれくらいにしてレビューしていきましょう!
レビュー
面白かったですよ。かなり手の込んだアニメなんだなと思いました。
まずはキャラクター性。
登場人物みんな信念があるんですよね。それぞれがそれぞれの理由や想いを持って紅歌に来ているんだという内面的なものが各話でスポットライトをあてるキャラクターを変えることで強く描かれている。
なかでもその人がメインではない作品なのにも関わらず過去を秘めている素振りをするキャラクターもいるのでそこの伏線もなかなかに見る人を引き込ませる要素になっているなと思いました。
そして渡辺さらさのカリスマ性。
本作品の主人公は二人。
元・国民的アイドルの女の子、奈良田愛。
彼女はある深い理由でこの紅歌に入学します。他人に興味のなかった彼女がもう一人の主人公と関わっていくうちに目標やら在り方に変化が起こっていく………みたいなキャラクターですね。なので基本サバサバしてます。
普段の語り手が彼女なのでW主人公は言いつつも彼女がなんやかんやで主人公な気がします。
そしてもう一人の主人公こそ渡辺さらさ。
身長178cmの天真爛漫な女の子。
愛ほど深い理由を持って入学したわけではなく、「オスカル(トップスター)になる」という目標を持つ女の子です。
でも彼女はスタイルだけではなく技能も天才的なんです。
完全に役に染まりきる能力。これが凄まじいんですよ。
見に行った公演のセリフを一度見ただけで覚え、それを雄弁に語るシーンがあるのですが。
本当に雄弁なんですよね。日本に来たばかりの外国人みたいに明るく、高いトーンの声を持つ彼女が恐ろしいほど低い声でセリフを話すんですよ。
彼女の言った「星を見上げよ!」につられるように同期のキャラクター達が呆気にとられて空を見上げるのですが……あれは見上げてしまうのも仕方がないというくらい迫力がありました。
千本木彩花さんの演技の幅広さに圧倒されました。
聴覚的なところを言ったのですが勿論彼女のカリスマ性は作画でも見てとれます。
彼女達がグループ組んで寸劇をやることになったのですが、さらさの役は「ロミオとジュリエット」のティボルト。
ティボルトとはジュリエットの従兄弟なのですがジュリエットを愛しているキャラクター。なので「ロミオとジュリエット」の話ではロミオの恋敵のような存在です。
ロミオは敵対する家柄の人間、そしてジュリエットの想い人。
よってティボルトはロミオを憎んでいる。作品でいうところの悪役ですね。
天真爛漫な彼女からは、かけはなれた存在にいる彼女なのですが、いざ演じると顔つきが違うんですよね。
尖った目、薄ら笑い、顔の傾け具合。
その全てが彼女が天真爛漫であることを忘れさせるほど悪人面していたので圧倒させられました。
演技になると、今までのキャラ設定を度外視するように別人格へと変わるさらさの二面性は作品を通してなかなかのものだったと思いました。
あとやっぱりキャラ設定が良いんですよね。分かりやすい。
さらさは天才的ではあるけど紅歌の世界は無知。
価値観がこちらに近いんですよね。
例えば体型。
我々のなかでの「少し太っている」は宝塚や紅歌にとっては「十分太っている」なんです。
バレエの授業の時に講師が生徒に「太っている」と言うのですが彼女はそんな常識しらないのでフォローに入るんですよね。
「女の子はぽっちゃりしている方が可愛い」と言うのですが「それは男の好みだろ。女の審美眼は厳しいんだ」と反論されます。
でもこれが良いんですよ。
見ている人の大半は宝塚や演劇を知らない人たち。この僕だってそうです。少しドキュメンタリーを見た程度の人間です。
そういう素人に近い価値観をもって相手に接することで演劇の世界の厳しさを見出だす。
現に彼女のこの発言がなければ「それは男の好みだろ。女の審美眼は厳しいんだ」という反論がでない訳ですよね。「ずっと前から演劇の世界が好きで入りたかった」みたいなマニア的な設定よりもこういう素人に近い設定にすることでよりシビアな世界を引き立てているなと思いました。
そして展開のタメ方が上手い。
例えばオーディションの合格発表のシーン。不合格だったキャラクターたちが先生に感情を露にする。そうすることでタメてはいつつも自ずと合格者を見ている側にわからせるんですよ。その演出が巧妙で見いられました。
僕だったら純粋に合格したキャラクターにスポットライトをあてて合格発表を見て喜んでもらい、そのあと不合格の方々の表情を映すなと思ったのでこういう斜め上の演出は新鮮でした。
総合的に凄く面白かったです。ですが………
この「面白さ」って何か違う面白さなんですよね。
自分がアイドル系のアニメを見ているときに感じる面白さとあんまし変わってないんです。
今改めて思い返してみるとこのアニメ、アイドル系アニメと根本的な共通点があるんですよ。
友情要素を多く取り入れている
アイドル系のアニメってユニットがほとんど。チームワークが求められるんですよね。その為には結束力が必要。だからこその友情要素なんですよね。
主人公がその回メインのキャラクターと関わって過去に触れて、より良いパフォーマンスができるような最適解を見出だしていく。
それがアイドル系アニメのテンプレなのですがこの作品全くもってそれなんですよね。
でもこの作品はアイドル系アニメと違わないといけないんですよね。
だって演劇をメインにした話だから。
誰もが辿り着きたい目標がある。だからこそ同じ目標を持つライバルと勝負する。
もうアイドル系アニメと趣旨が違うじゃないですか。
自分以外ライバルという世界に馴れ合いって要るんですかね?
というのが僕のこの作品を通しての主張です。
毎度毎度キャラクターにスポットライトあてて、さらさがそのキャラクターの悩みに尽力してるんですよね。
僕てっきりこのアニメは『ウマ娘 プリティーダービー』みたいに主人公が数々のライバルと闘い高みを目指すようなタイプの面白さだと思ってたんですよ。
曲がりなりにもスポ根というジャンルなので。
なので主人公が様々な演劇や授業をしていきながら失敗し、それでも立ち上がって這い上がる……みたいな面白さを期待してたんですね。
でも実際見てみたら主人公、他のキャラクターのお悩み解決に協力しているし。
宝塚のような世界がどれほどシビアなのかわかってるのかな……?なんて思うくらいキャラクター同士で馴れ合いしているのが気になりました。
ところどころ対抗心むき出しにしているシーンあるのですが生ぬるい。
さらさや愛のキャラクター達「100期生」の一年先輩に野島 聖(のじま ひじり)っていうキャラがいるんですよ。
こんなかわいらしいルックスで後輩のさらさ等に笑顔で毒吐くような人なのですが彼女が一番リアルなキャラクターなんですよね。
見ているときは「ホント嫌なやつだなー」なんて思うのですがシビアな世界にはこういう人がもっといるべきなんですよね。
なので「双子で入れて幸せ!」というキャラクターがいるんですけど僕からしたら「甘ったれてんじゃねぇ!」という感想です。
(下は視聴当時のツイート)
甘ったれてんじゃねぇえ!!!!!!
— わたいず (@wataizu_main) 2021年10月5日
そんなお悩み解決的な展開をやっているから彼女の技術的成長がみられるシーンが後半からなんですよ。
後半からのシーンで相変わらずさらさじゃないキャラにスポットライトをあてたりしているので成長速度早いんですよね。
もっと地道に成長するさらさが見たかったです。
友情におもきを置きすぎて演劇のシビアな世界が全くもって伝わらず、主人公の技術的成長を見れる機会が少なかったのが非常に残念です。
面白いけど面白くないというのが最終的な感想です。
僕はこういう感想なのですが世間的にはこのアニメかなり高評価なので気になった方は是非、見てみるとよいかもしれませんね!
依頼はこちら↓
https://twitter.com/wataizu_main/status/1445004537920585731