今日はここ最近、ハマった3曲を紹介しようと思う。
①バレる!(Creepy Nuts)
2021年上半期の曲である。歌手はCreepy Nuts。日本随一のラッパー、R指定と世界でも高い評価を得るDJ、DJ松本の二人組のアーティストである。
この曲を知ったきっかけはR1ぐらんぷりのテーマ曲として度々CMで流れていたのだ。
バレる!俺の天ぶの才が~というサビが最初聞き取れなかったが凄く中毒性高い歌声だなと思って「CreepyNuts R1ぐらんぷり」って調べたらこの曲が出てきた。
そして全編聴いたら最高に興奮した。
読んでいると結構煽ってる感じの歌詞なのだが一人の人間の生きざまを見ているような歌詞でもあるのだ。
歌詞の一番は自身の能力に過信している人間を描いている。
錆び付いたあの老いぼれ
邪魔なんじゃそこどいとけ
老人までも蔑視する始末。いい感じの天狗をしている。というかこの「俺はすげぇんだ!」感を出しながら、尚且つ韻を踏んでいくこの一節がスゴすぎる。
2つの文の末尾「老いぼれ」と「どいとけ」の母音を見てみるとこれの凄さがわかる。
老いぼれ→oioe
どいとけ→oioe
パンドラの箱、開けちゃったね。ここ、聴くとホントにキモチよくなる。文のトーンを二文とも寸分たがわず言うR指定もなかなかである。
で、中毒性あるサビ。バレる!のところは言わずもがな。その後半の「吠え面かけ All my Haters」からの畳み掛けが最高すぎる。僕はリズム的にここが一番刺さった。
歌詞の二番は一番とは一転。自身の能力のなさをしみじみと感じる人間を描いている。
大成功を収めていた人間が一回のミスで世間の手のひら返しをくらい自信を見失っていくのだ。
ここは人気絶頂期の俳優が不倫をしてしまうとか、覚醒剤所持してたとかいう感じで捉えてよいのかもしれない。
そしてサビ。一番と意味が変わる。真の見せ場はここ。
バレる! 俺には何にもないや
バレる!いやハナから勘違いだった
バレる!バレる…
化けの皮剥がされる
水を得たAll My Haters
手を叩いて指さしてる
ほれ!見たことか!笑える…
傲慢と陶酔の「バレる!」から自戒と自嘲の「バレる!」へとなっているのだ。
ここは痺れる。曲を通して2つの要素を楽しめるとはかなり多幸感刺激する曲だと思った。
だけどこれで終わりではない。
立ち直るのだ。傲慢と陶酔に耽ってた人間がミスを犯し、世間の手のひら返しをくらい自戒と自嘲をした!その結末は…
傲慢と陶酔で終わる!
一番の曲はラストでもう一度かまして終わるのが通例だがこの曲はそのサビに至るまでの意志変化をゆっくり描かれている。
終始巧妙であった。ラップもさることながら歌詞も素晴らしかった為、好きな曲リストに入れた。
カメレオン(King Gnu)
2022年の曲である。歌手はKing Gnu。「白日」で有名な四人組のミクスチャーバンドである。
この曲は一昨日最終回を迎えたドラマ「ミステリと言う勿れ」の主題歌である。
ドラマはちょくちょく見ていた。見てない回もあるものの間違いなく他のドラマより観ていた。
このドラマは重要参考人や目撃者の言葉から真犯人を見つけ出すという、警察や探偵みたいな調査方法ではない奇抜なスタイルのドラマだが同時に「いわれてみれば」と気付かせてくれるドラマでもある。
例えばいじめ。
いじめ「られた」やつを徹底的に守るのが日本だが何故いじめ「た」やつのことを何も考えないのかと主人公久能 整(ととのう)は問い掛ける。
いわれてみれば。嫉妬心・腹が立つ限界値は人それぞれだが対象を追い詰めるというのはそれだけいじめる方も精神的に追い込まれているのだ。
と、考えれば海外の「いじめた人間をカウンセリングする」みたいなやり方も納得がいく。
みたいなね。死角から気付きを与えさせてくれる。視野を広げてくれるドラマなのだ。
そして人を幸せにする。ミステリーとはいいながらもそこまで物腰はきつくない、心がほっこりするドラマなのだ。
この曲は主題歌だけあってそんなドラマの雰囲気を体現するかのような曲調をしているのが僕がいちばん惹かれたポイントである。
メロディー聴くだけで心が暖まるのだが、そこに詩的かつ繊細な感情を色にフォーカスした歌詞がのることでより良い曲にしている。
ドラマのよしみってのもあるし曲調が感動できるところから好きな曲リストにいれた。
大人になって(YUKI)
2012年の曲でアーティストはJUDY AND MARYの元ボーカリストで有名なYUKI。
この曲は最近、YUKIの同郷出身であるBISHのアイナ・ジ・エンドがカバーしたことで知られる。
この曲、メッセージ性が強すぎる。
歌詞の一文目はこれ。
15歳で全てわかったふりをしてさ
くたびれたTシャツ一つでどこまで行けた
ズキーーンと頭をバットで殴られた感覚がした。
入りのセンスが完璧すぎる。
15歳からもうじき4年が経つが15歳の感覚はあまり覚えていない。
だが「どこまでもいける」と思っていたとは事実で。
ちょうどこのとき転居したのだ。そこが前いた場所とは段違いに自由度が高くて。
本屋にもマックにも色んなとこにもいけた。前がかなり田舎だったっていうのもあるが本当にどこにでもいけた。
18歳未満お断りの場所にはいけないがそれ以外のどこへでも行けることができる。それを色濃く実感できる年齢なのは確かである。
そして様々なことを知ったり見たりする思春期真っ只中でもある。
恋愛とかね。高校から…みたいなイメージがあると思うがもう中学のときから盛んに行っている。何なら「あの人とあの人、ヤったらしいよ」みたいな噂も聞いた。
子供だけど大人みたいなことをしてみたい!それも色濃くでる年齢だと思う。
それを的確に歌詞にのせているのがもう凄い。
この曲は問い掛けしかしない曲である。だからこそ訴えることの不条理さというのがひしひしと伝わる。
なんで人は愛に満ちて死んでいく?
とかね。僕はこの答えをもっていないし、持ってたところで書き終わる気がしない。
この問い掛けの不条理さが僕は好きで、同時に聴きながら考えてしまう。
死ぬときになったらこの曲の問い掛けの答えを出せたらいいな。
そう思い今、好きな曲リストに入れている。
まとめ
いかがだっただろうか。
普段アニソンぐらいしか入ってない好きな曲リストに入ったということはよっぽど気に入ったんだろうな…
これを気にみんなも聴いてみるとよいかもしれない。
是非、聴いて欲しい曲があれば是非コメントしてほしい。J-POPの知見の幅を広めていきたい。
ちなみに人生のなかで一番好きな曲は「エガオノカナタ」。あんまり知られてないのはアニメが低評価だったかr……おっと、誰か来たようだ。
ではでは。