【映画】モービウス

映画館で『モービウス』を観たからそのレビューをしようと思う。


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あらすじ

天才的な頭脳を持つ医師マイケル・モービウス。 彼は、幼い頃から治療の術がない血液の難病を患っていた。 医師として多くの命を救い、ノーベル賞という名誉も手にしながら、 己の病を治す方法だけを見つけることができないモービウス。 身体はやせ細り、松葉づえなしには歩くことさえままならない。 時間だけが刻々と過ぎ、忌々しい血液が彼の命を蝕むなか見出したひとつの可能性。 それはコウモリの血清を自らの身体に投与するという、危険すぎる治療法だった――。

引用元:モービウス - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

レビュー

アメコミ作品としてはひねりがなくて面白くなかった。シンプルな話で内容が入りやすかったが、一方でラストが解せない映画であった。

 

まず、本作品はアイアンマンやキャプテン・アメリカがいるMCUではない。似て非なる世界観のSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)らしい。そこには『ヴェノム』がいる。

だがこのモービウスはスパイダーマンの敵である。本作品のポストクレジットでようやくヴィランの片りんを見せることになるのだがこれがさ…

 

とまあ、最初からラストのレビューをするわけにはいかないからとりあえず順々にやっていこうと思う。

 

本作品はかなりシンプルな話である。天才医師が自身の病直すために蝙蝠の成分接種したら吸血鬼になっちゃって血に飢える本能と格闘しながら吸血鬼になった親友を倒す話だからね。結構シンプルだなと思った。

僕は結構理解能力が乏しいからこのような話は結構助かった。賛否は分かれそうだけどね。

 

ただ、冒頭。死の山とかいわれる、蝙蝠たくさんいる洞窟の山にモービウスがヘリでいくのだが…物語が中盤にいけばいくほど必要ないんじゃないかと思えてくる。

まず、あれでモービウスは吸血鬼にならない。蝙蝠の成分を秘めた変な液体を体に注ぎ込んでそれで吸血鬼になるからなおさら冒頭のシーンは何なんだという話になる。

あのシーンは本当に何を描きたかったのだろう。蝙蝠っていうのが本作品の重要な存在だよーってことを伝えたかったのだろうか。

僕はてっきり冒頭の死の山で吸血鬼化してこうなる経緯を、次のシーンである25年前のモービウスと親友にしてヴィラン、マイロとの出会いで描くのかなと思っていた。

だから冒頭のシーンに関しては未だに消化しきれていない。

 

そのあとは淡々と物語が紡がれていったな。ひねりがなくてちょっと残念だったけど吸血鬼になってからのエフェクトは素晴らしかった。日々CG技術は進歩していくからここ最近のアメコミ映画のエフェクトで嫌な思いをしたことがない。そこは文句なしだった。

特に跳躍するときに風みたいのだすエフェクトね。反響定位能力のエフェクトもかなりよかったけどこの風みたいなのを出しながら高速でアクションをしていたのは興奮した。

 

そして終盤。血に飢えた化け物になることを危惧したモービウスは、同じく自身の病の治療法を求めるマイロに警告したがマイロは薬を投与し吸血鬼になり多くの人間を殺していく。ついにはモービウスのガールフレンドまで殺めるマイロにモービウスは最終決戦を行う。

蝙蝠操ってマイロを追い詰める下りがあるのだが死戦感が足りなくてのめり込めなかった。これは性癖なのかわからないが最終決戦だから体ボロボロになるまで闘ってほしかった。NWHとかもうズタボロだったじゃん?ああいうのがモービウスにあればよいなと思った。まあガールフレンド亡くなって、マイロにも追い込まれて「うああああ!」といっていたのだがその末蝙蝠操って棒みたいなのなげて勝利は結構あっさりしているなと思った。

そして悪党を追い出して手に入れたラボで血清を奪う薬を作ったはよいもののそれをマイロだけにやって自身には投与しないの何故だろうなーと思った。「え、あ、やらないのね?!」みたいなね。

モービウス、どうせまた続編やスパイダーマン作品で出したいから弱体化しちゃ困る!ということで投与しなかったと思うのだが血に飢えた自分と散々葛藤してたじゃん!というね。

そこの一貫性が欲しかったかな。まあでもすごく気分いいって言ってたからこの状態のままでいたかったのかな?という受け取り方もできるけど。

 

あとマイロ。どうしてモービウス大好き人間がモービウス煽り吸血鬼になったのかが自然すぎて最早動機不明瞭。

マイロはモービウスとは真逆で自身の本能を受け入れているから自身の力が通用するモービウスとの闘いを愉しむためモービウスを煽っていたって受け取っているけどモービウスのガールフレンドを建物の下から眺めているところは執念を感じたんだよね。

モービウス好きなゲイだとも受け取れるんだよね。それでもいいけどさ!ポリコレ最前線いくのがマーベル作品ですもん。

でもこれで考えたくはなかったな。闘っている最中に「あれ、なんで闘ってんの?」っていう境地にはたどり着きたくはなかった。

そこもうちょっと明瞭にしてほしかった。

 

そしてポストクレジットね。『スパイダーマン/ホーム・カミング』の敵であるヴァルチャー(マイケル・キートン)がNWHの影響でSSUに来る。

もともとトム・ホランドスパイダーマンがいるMCUの最初の敵だったのだがNWHってストレンジのやらかしで他のマルチバースから敵がくるんだけどMCUで敵してたやつは別のユニバースにいくんだね。一言でいえばヴィラン交換みたいな?

それでヴァルチャーが来るのは良いのだが驚きと興奮よりもダサさが出てくる。刑務所転移って…と観たとき純粋に思った。そしてパトカーに乗らされるっていうね。

 

で、エンドロールを経てから再び映像が。

モービウスがかっちょええ車を周囲に何もない道路に停める。するとヴァルチャー状態のマイケル・キートンが派手に登場する。

セリフは一回観ただけだから完コピはしていないが要約するとこう。

 

キートン「モービウス、要求に応えてくれてありがとう。俺たちの敵はスパイダーマンだ。俺とお前が力を合わせればあいつを倒せる」

モービウス「ほほう、面白い」

 

いやこれ脈絡なさすぎるでしょ。なんでモービウスがスパイダーマン敵視してんだよ。ホントよう分からん。何故作中で何も関係なかったスパイダーマンを倒そう!って話に「面白い」とか言えんだよ。ここの間にもっとスパイダーマンに対するモービウスの印象が描写されるシーンが欲しかった。

ここがさっぱり分からなかった。

みんな久しぶりのヴァルチャー登場に燃えてると思うけど結構脈絡ないからね?

映画終わってからずっと首傾げたまま退席したよね。

マイケル・キートンが『モービウス』を壊していてかなり残念だった。

ヴァルチャーは多分ヴィラン連合軍作ろうとしていたのかな?もうちょっとゆっくり描写してもよかったと思う。本作品のスーパーヒーローであるモービウスをいきなり敵にすな!というのが僕の感想である。

 

そして予告編にもあった「I am venom!」っていうシーンね。あそこかっこよかったけどモービウスとヴェノムでちゃんと違いがとれていたのがありがたかった。

正直この話、ヴェノムと似たような話になるのではないかと思っていた。

だって両方人間狙ってんじゃん。人間を捕食を求めるヴェノムと人間の血を欲するモービウス。あり方は似てる。

予告編を見る限り、「ああ犯罪者の血を吸って生きるのかな?ヴェノムみたい」と思っていた。

でも作品を通して犯罪者であっても血は吸わなかったね。

最初、暴走してた時は賭博やっていた傭兵たちを皆殺ししてたけど、あれは自制が効いてなかったからね。

でも自制が効くようになっても犯罪者は何したっていい理論に陥らないのは良かった。まあお医者さんだからね。人を殺すという行為に真摯に向き合っていたから犯罪者相手に腕の骨全部折っても血は吸わなかった。

ヴェノムは結局「食っていいのは犯罪者だけだゾ」とトム・ハーディにいわれていたから行きつけの店で金を要求する男をパクリと食べたわけなのだがモービウスはそういうやつじゃなくて安心した。

医者としての立ち回り、一貫性がとれていたからここは凄くよかった。

 

総評

アメコミ、それもマーベル作品としてはひねりがなく、「個性がダークな作風」ぐらいしか感じられない作品であった。おまけにミッドクレジットの杜撰さといったら…

マイケル・キートンが不評の理由といわれているのも納得がいくかも。

 

ガールフレンドがモービウスの血を浴びて吸血鬼化したと匂わせる描写があったから続編は作れるようになっているけどどうなんだろう。

ヴェノムほどの面白さはなかったからな…でもMCU参入してくれたら非常に興奮するな。まだスパイダーマンとバトルしたことないキャラだから早く闘ってほしいと思いつつ近々公開されるストレンジ新作に備えようと思う。

何か色々観なきゃいけないらしいじゃん!ワンダヴィジョンも⁈ふぇぇ…