テレビ東京の午後のロードショーで『荒野の用心棒』を観たからそのレビューをしようと思う。
あらすじ
黒澤明の『用心棒』を西部劇にリメーク。対立する二大勢力が牛耳る町に現れた凄腕ガンマン。その活躍はいかに!?クリント・イーストウッドの出世作!
(午後のロードショー番組情報より抜粋)
レビュー
やや面白かった。登場人物の分かりにくさや聞き取りにくさはあるものの、それをかっこいいが拭ってくれる映画であった。
何気に西部劇の映画は初めてである。ガンマンが風が吹きすさぶ荒野で1対1の勝負をする…みたいな映画としかイメージはない。
というかこの作品見たところでそのイメージは変わることがなかったが逆に実際に観れて凄く面白かった。
両者の間に張り詰められている緊張感。それを切り裂くように銃を構え発砲する。
本作品はその緊張感を耳鳴りのような甲高い効果音で描写しているのがよかった。
固唾を飲んで見ちゃうんだよね。甲高い効果音が観る側を集中させるから凄く演出的にもよかった。
そしてこれを今回、クリント・イーストウッドが演じている。
控えめに言って、最高。若いときえげつないほどイケメンじゃん!という。
そして荒野の格好もかなり似合っている。
ただでさえかっこいいのに、信条やら能力もかっこいい。存在が罪ってこういうことを言うのかな?というくらい輝いていた。
本作品は序盤、バンバン敵を倒して中盤コテンパンにやられて終盤に悪を打ち倒すというマカロニウェスタンの型の作品。
この型はアクション映画だと結構多い気がする。
MCUとかにもその型の作品は多い気がする。
だから観ていてワクワクした。
特に終盤。本作品の敵、ラモンから命からがら逃げ延びたクリント演じるジョーは隠れ家で射撃の練習を行う。
そしてジョーを匿っている棺職人のビリペロから武器を貰い、友人のシルバニトを救うため再び町へと戻る。
ここのパートが凄くワクワクした。少ししかなかったが、アイアンマンの原型を作っているロバートダウニーJrを見ているかのような満足感が得られた。
だが本作品、登場人物が多かった。組織抗争が背景にあるからそれなりに多いのは仕方ないのだが把握が難しい。
でもこれはかなり難しい問題で。顔の系統がみんな似通っていてほぼ同じに見えるっていうのはある。
でも西部劇というのは髭モジャモジャで濃い顔の男が多く起用されている。むさっくるしい男たちによる熱い話だから起用されるのは無理もない。
だから見ていて多少なり困惑した。話はやや分かるものの解像度が低かったため完全にはわからなかった。
あと日本語音声でも聞き取りにくい。これも仕方ない。
だいぶ前の作品だもん。音質もなかなかに悪い。午後のロードショーとはいえ、午後のロードショーだけのための吹き替えではないと思う。
訛りすぎているんだよね。おめぇさんはよぉ…みたいなセリフを結構早口で言っている。
やはりこういう作品は日本語字幕で観るのが適切なのかなーと思わされた。
総評
セリフの聞き取りにくさや登場人物の多さが気になったが作品自体はあまり退屈ではなかった。
やはり勧善懲悪というコンセプトの作品故に万人受けされるのかな。観ていて気持ちいいもんね。
モチーフは違うものの現在の作品に通ずる展開の作品だったからとても見易かった。
僕も通りすがりで町の危機を救える男になりたいな。
という点では仮面ライダーディケイドはかなり西部劇よりのキャラクターなのかな。
続・荒野の用心棒も機会があったら観てみようと思う。