『王様戦隊キングオージャー』第3話を見て腹が立った話

3月29日放送の『王様戦隊キングオージャー』第3話を見て凄く腹が立ったからその理由を話していこうと思う。

 

あらすじ

ンコソパの人々の協力もあって、見事巨大化したボダルジームを倒したヤンマ(渡辺碧斗)とギラ(酒井大成)。そんなふたりを突然連れ去ったのは、「イシャバーナ」国の女王ヒメノ(村上愛花)だった。超ワガママな性格でギラとヤンマを振り回すヒメノのワガママには、実は秘密があり…?

(ABEMA TVより抜粋)

 

レビュー

イエローやべぇ王様ということが心底分かった。プリンセスのカリスマ性を描写しても拭いきれないくらいの狂気性がある回であった。

 

まず、王様戦隊キングオージャーの大まかな説明としては5つの国が存在する惑星「チ球」で、国の反逆者たる主人公が4人の王様と共に人類を脅かす地底帝国に立ち向かう話である。

その3話目となるとやはり仲間集めにフォーカスした話になる。

2話目はブルー回であった。「だまって俺について来い」的なキャラのブルー君だが、ブルー君は民を道具ではなく仲間とみている…というなかなか良い回であった。

みんな個性的な世界観をしていながらも、その国王が理想の国王に通ずる信念を持っている…という二面性が垣間見えた展開ね。3話目でもそれが遺憾なく発揮されている。

医療と美を象徴する国、イシャバーナ。そこの王女たるヒメノは自分の気に入らないものは配下を使って即刻破壊、欲しいものは配下を使って全力入手しようとする我がままな王女なのだ。

目の前にきれいなお花畑があるが、景観を塞ぐように一軒の家が立っている場合、即刻住人を退去して家を破壊する…みたいなね。

これには流石に引いた。

でも、ヒメノもぶれない信念を持っていて、「夢も未来も我儘から始まるの」という我儘と「我がまま」をかけたような展開が後半でなされていた。

 

これが「我がままに行く!」みたいなことを言うヒメノ

 

で、どうやら爆破した家の住人に新しい家に住まわせたりしていた等、彼女なりに民を想う姿が描写されていた。

 

彼女なり…ね。

 

果たしてこれを「民を想う」という言葉一つで終わらせて良いのだろうか。

 

いやー良い子のみんなはこの違和感を覚えてほしいなと僕は思った。

 

代替手段を用意し、民を思い通りに動かしているとしか思えないんだ。

たとえばね、このお花畑の一件だって子供が「新しいお家に住めるんだ!」と高らかに言ってたけどこれが「ずっと暮らしてきた家だから…」と寂しい気持ちを抱いていた場合どうしていたんだろうね。

積み上げてきた思い出を「新しい家あげるカラ〜」という言葉一つでなびかせているってことになる。

それってどうなんだろ。

僕だったら寂しいな。今まで暮らしてきた家が解体されるって考えると「ここでこんなことをしたな…」とか、各部屋ごとに詰まった思い出がショベルカーで潰されるごとにこみ上げてくるんだと思う。

それを一瞬だからね。跡形もなくダイナマイトでボカン。頭湧いてるでしょ。

 

これはあくまで例え話だけど、皮肉にも民を想う描写に「代替手段を用いて現状解決する」というシーンが散見されたのも事実なんだよな。

正直、そんな手段をとる王様のどこにカリスマ性があるのかがわからず、僕の中ではヒメノサキは「民を顧みず、己の欲望だけを叶えようとしている王女」のイメージのままです。

ここの作り込みが2話と違って甘いなと思ってしまったね。

くれぐれも主人公は彼女を見習わないでほしい。

お前までも「じゃあこれやるからこれやめてー」みたいなスタンスになったら僕がゴッドクワガタ操作するからな。

「夢や未来は我儘から始まる」は良かった。確かに…と画面越しで呟いたからね。そこはなんとも思わなかった。ここだけ吸収してほしいわ。

 

でもホントに怖いわ。医療最先端で万病バッチコイ!って感じの国だとしても戸籍は置きたくないね。旅行もしたくないし。

ンコソバだよンコソバ。民を仲間だと想って背中預けてくれる王と言うよりリーダーのヤンマガスタについていきたいわ。

 

子供向け作品にアツくなっちゃってる自覚はある。でも何か「こんな感じで作っておけば良いだろ」みたいな作り込みの甘さを今回はすごく感じた。

特撮を見る子供の時期とかってもう物心はついているし、むしろ感受性とかもかなり高い気はする。その時期とかでなりたいものとかが決まるなというのは自分がそうだったからよく分かる。

何が正しくて何が間違いかっていうのがわからず、憧れてしまったら最後、突き進んでしまう時期の子供にこの理想像は見せてはいけないと僕は思ってる。

「こんな王様になりたいー!」とか思っている子供がいたらどうしよう。と、いうかもう一定数いるよな。まぁまぁ良い着地してたもんな。

やっぱりいるよな…

この場合の「こんな王様」というのは民を想い、民に今よりも良いものを見せて(=代替手段)民を喜ばす王様のことなんだろうな。

でもな…今よりも良いものを見せられたとて、今の方を選択したいっていう人もいるんやで。

よくある例えとしてはハイスペックな人よりも平凡なスペックだけど自分のタイプの人…とかね。

人をそんな単純な生き物だと見ないでほしいんだよね。

この作品を見て悪影響を受けないか杞憂だけどとても心配である。

 

まとめ

すごく腹がたった。人という生き物をなめてないか?と思っちゃうくらい自分の地雷を踏んでいった作品であった。

とはいえ、終盤の怒濤の展開とか五国の世界観がたまらなく好きだから懲りずに見ていこうかなと思ってる。

次はどんな国なんだろうな。和風の国なら封建制度とか主従関係にフォーカスした話になるのかな…歴史とか好きだからそういうの想像しただけで口角上がってしまうんだよな。

 

あと、これまで隊員ってレッドがリーダーで動くっていうのがあったんだけど今作はみんなが王様っていうのが新鮮で良い。レッド主体なのは崩せないルールだからお決まりなんだけど、全員が対等な立ち位置だからこそ伝えられることもありそうで面白そう。

いっつもYou Tubeで見逃し配信で見てるので流石に毎週録画せんと…もう多分次はなさそう。