今回は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』を観たからそのレビューをしようと思う。
この作品、実は過去に一度レビューしている。
wataizu.hatenablog.com
これが何と最近の記事ランキング1位をたたき出している。それまで不動の1位だった呪術廻戦モジュロの記事を超えるPV数に驚かされている。
『キルケーの魔女』効果ヤバい。「え、お前ハサウェイ観てた?」っていうくらい、ガンダムと無縁な友達ががキルケーの魔女観に行ったよと報告してきたくらいだからね。そのくらいハサウェイはほかのガンダム作品とか一線を画した面白さを秘めている。
前回レビューした際は、「ガンダム知らない人間でも理解できる作品なのか」という検証的な記事であった。
そこからガンダムハマったのかと言われるとそうでもない。あとからでたジークアクスとか一話観たけどやっぱりロボット系が苦手過ぎて断念して今に至るのだ。
そんな僕がもう一度観ようと思ったのは、『キルケ―の魔女』観た友達から
一言でいうと、おっぱいだった。
という潔すぎる感想を貰ったからである。
そんなん!観るしかないやん…。ホントはキルケーの魔女行きの電車に乗りたかったのだけど、劇場行って「はにゃ?」と極力なりたくないから、閃光のハサウェイ経由キルケーの魔女行きの電車に乗ることにした。
ケネスのナンパがスベり倒してる冒頭
物語は閣僚を乗せて地球に向かっていくシャトル「ハウンゼン」から始まる。
そこにいたのは植物監査官候補で来た主人公、ハサウェイ・ノアとジジババの閣僚たちと一緒にいるのがおかしいくらいの美少女、ギギ・アンダルシアと部隊の後任司令官として地球に向かう予定のケネス・スレッグ。
このケネスがシャトルをずっとうろつき回っている。シャトルのCAに廊下で口説いたりと手癖も足癖もすこぶる悪い。
だが、1番タチが悪いのはその口説き文句。
ケネス「僕は結局、君みたいなタイプの女の子が1番好きだと気づいてね」
まわりくどいけどナンパは初手から直球で投げるのは愚策なのでこのくらいの塩梅から攻めるのが1番良い。問題はこのあと、
CA「口説きの常套句かしら。辛いですよね、歳を取るって」
ケネス「そうでもないよ。例えば君のような美人と話していてもポッと上がることもなくなった。これはそれなりに楽しい」
はいアウトォオオオオオオ!!!!
やりましたねこの男。普通にこんなこと言われたら「あっ、あたしってドキドキしないの?」となってしまう。ヤリモク全開。
ホントにそうだとしても言うなよ。瞬間的に楽しい時間を共有できる良さがあるのがナンパなのに、そこで感じるドキドキを俺は感じないって言っているようじゃ話にならない。
「ドキドキされる方が嬉しいけど?」というCAに
それは初恋を知った頃の君の理想が残っているからさ
と返すケネス。
もう…もうやめてくれ…これ以上自分で自分の株下がることないじゃないか…!
観ていて辛い。一言一句スベり倒してるんだもん。CAのケネスに対するイメージが1秒ごとに下がってる感じが肌で伝わってくる。
こんな文言に斜線をつけて書いてること自体バカにしてるって気付け。
自分もそれなりにナンパはしてきたからこそ突っ込んでるんだけど、そんなんじゃ女の子は落とせないとだけ声を大にして言っておく。
クェス「ヤッチャイナヨーーーーーー」
ギギ「やっちゃいなよ!そんなナンパ男なんか!」
すみません、クェスとギギの幻聴が脳裏よぎっちゃいました。
僕もこう突っ込んではいるけど、戦績は2勝ぐらいです。10回くらい挑戦しての2勝です。弱いです。
でも謙虚に行かないと女の子は話すら聞いてもらえないっていう経験則があるから、ケネスのこの口説き文句は見てられなかった。
とはいえ、テロリストが来たらケネスもいっぱしの軍人。ゴリッゴリ機を図って動こうと中腰になる。
ここのときのハサウェイのアクションがめっちゃ立体的なんだよね。あのカメラワークはハリウッド意識してるってくらい臨場感に特化していた。
結局この冒頭はハサウェイを見てフッと笑うギギという伏線と「君、名前は」というケネスの問いかけに「ハサウェイ・ノアだ」と返す会話で終わるのだが、終わりも含め非常にハリウッド仕立てで見応えがあった。
言動ホラー系女子・ギギに振り回される前半
冒頭でとんでもないワードチョイスで女性を口説いていたケネスよりもヤバいやつがこのハウンゼンには乗っていた。
それこそ本作品のヒロイン、ギギ・アンダルシア。
今でこそ言えるけど、CV上田麗奈でもうお察しだよね。彼女には「レゼ」という前科がある。観た後レゼしか見えなくなる症候群に2025年かかった人はさぞかし多かろう。一緒に観に行った友達も見事発症したからね。自分はああいうミステリアスな女の子観ると、問答無用で殴りたくなるので奇跡的にかからなかった。
だが彼女は、とんでも女子を演じるのに一級品の実力があるのだ。CV上田麗奈の女キャラでまともなやつはいないというのがここ最近の学び。『harmony』の御冷ミァハなんてその典型。悟り開いている系のふわふわした女子を演じるのがこれでもかというくらい上手い。
『ロード・エルメロイII世の事件簿』のグレイしか認めてねぇからな?!
そんなメタな話は置いといて。
じゃあ具体的に彼女のどこが言動ホラー系女子なのか。時系列ごとに話していこう。
①文脈を無視して話すところ
ハウンゼンでの一件後、ハサウェイは警察から事情聴取を受ける。そこでギギと再会し、彼女の計らいで同じホテルの部屋で同居することになる。
問題はそこでの会話。
ニッポンが母方の先祖の出身地と話すハサウェイに、「だからそんな顔してるのね」とまぁまぁ無神経な返しをするギギ。この時点でもう一緒にいたくないまであるよね。絶対多人数で会うときあったら「お願いだからしゃべんないでくれ」と思われちゃうと思うタイプだと思う。ギギの発言に流石にハサウェイも感じたようで「よせよ」とぶっきらぼうに返すのだが、次の瞬間、
マフティーのやり方、間違ってるよ
そのセリフ、文脈と合ってないよ
この前後の話、絶対繋がってないだろ。夏井先生の添削入るぞ。
主語がでかい話になるんだけど、日本人って言語上、文脈を大切にしなければ話が噛み合わないこともザラにある。『閃光のハサウェイ』はおそらくみんな外国人の設定だから、洋画の会話を意識したんだろうね。なんというか、会話のテンポが現実離れしていて少し驚かされた。
②急にヒスるところ
僕のギギの冒頭での印象は、「肝が据わっているミステリアスな女の子」である。偽マフティーに銃口を向けられても動画視聴に興じているところ、ついでに偽マフティーに「隣の席も予約してるのなんで?」と問われるけど「悪い虫が寄らないようにするためよ」と皮肉を浴びせるシーンがその根拠なのだが、opが始まってからその印象は揺らぎ始める。
前半の、ハサウェイがたまたま扉を開けたら風呂上がりのギギがいたシーンがある。このシーンで何とギギは裸を見られて絶叫するのだ。
銃口向けられて動じないけど裸みられて動揺するのは解釈違いだよお....。
僕の中でのギギなら、裸みられても「ハサウェイになら見られてもいっか」ぐらいの強烈なカウンターを炸裂していたね。峰不二子に年齢と胸を差し引いたキャラだと思っちゃってたから戸惑った。
多分こういうところのギャップがファンには刺さると思うんだけど、ここでの上田麗奈の悲鳴が迫真すぎて引いちゃうんだよな。
『チェンソーマン レゼ篇』の時から思っていたけど、上田麗奈のヒスる声はホントに身震いするくらい怖い。現にこのあと、ハサウェイとギギで戦火の街中を駆けるシーンがあるんだけど、瓦礫やら何やらで困惑して叫ぶギギの声と裸みられたギギの絶叫がほぼ同じなんだよね。「ギャーーーー!」とかじゃないもん。喉裂けてるんじゃないってくらい張り詰めた叫び声なんだもん。
妙なところでヒスっていて僕はちょっと受け付けなかった。
物語と小ネタが加速していく後半
物語が前半と後半でだいぶ変わるのがこの作品だと思っている。
ハサウェイとギギ・ケネスという三人が互いの関係性を深めていく前半と、マフティー・ナビーユ・エリンとしての覚悟を決める後半。物語の加速は後半にかけて一気に行われる。
ケネスはマフティーとの地上戦でマフティーの一味、ガウマンを捕縛。ガウマンの取り調べとギギの発言から、ハサウェイこそマフティーのリーダーであることを推測する。ここらへんのケネスの勘の良さが凄い。ギギ今なんか悪いこと言った?と思った人も多いんじゃないかな。
で、ハサウェイが船を使った痕跡からマフティーの基地を特定。連邦政府とマフティー、両者のガンダムによる海上戦が幕を開ける。
捕虜をガンダムに乗せる~みたいな展開って今まであった?ペーネロペーにガウマンを乗せてクスィーガンダムと戦う展開に「あ、そういうこともあるのね!」とガンダム知らない人は新鮮な気持ちで見れた。
あとシンプルに海上戦かっこいい。もうビュンビュンしている。ロボットアニメってこうじゃなきゃという良さが全部詰まっている。
やっぱり惑星内で戦うべきだよガンダムは。住民を巻き添えにしながら、建物を全面的に使った立体的なアクションができるし、時には海上戦のような「海に落ちる」というデメリットを抱えながらまっさらなところで戦うアクションもできる。その場で映えるロケーションが全部地球に入っている。終盤の海上戦のチョイスは、ハサウェイが「海が苦手という過去」と「ギギやケネスとの過去」という二つの過去を断ち切るために設定されたから、やっぱりガンダムは地球で戦うべきだよ。地球はエモいよホント。
物語だけじゃなく、小ネタも後半にかけて加速していく。
例えば海がトラウマなところとか。ここら辺は確か幼少期に海で死にかけたんだよね。こういうちょっとした設定を知っていると嬉しくなるよね。僕は調べたけど。
あと終盤の海上戦中のアムロの「身構えているときには、死神は来ないものだ」というささやき。これもアムロがハサウェイの中で英雄として生き続けている故の幻覚なんだよね。僕は調べたけど。
言ってしまえば、この設定二つってそんなに気にならない設定している。「スルーしてたけど映画おもろかったからあのシーンのあのところ調べてみよ」で、初めて効力を発揮する小ネタだと思う。だけどそれが未履修勢からしたらめっちゃありがたい。現に映画終わってからちゃんとこの二つを調べたもん。小ネタは後半にかけて加速はするけど、それがないと観れないほどのものでもない。そんな一本の作品として勝負し、過去作品とのつながりをあくまでスパイスと捉える制作陣に感動した。
でもやっぱりギギは怖い。
『キルケーの魔女』のPV観たんだけどずっと不気味なことしか言っていない。ずっとメンヘラ。キルケーの魔女自体ギギである描写はハサウェイにあったから、それが次作でどう作用していくのか楽しみである。
あとそうだ、忘れてた。おっぱいも楽しみにしないとだね。できればR15つけて乳首解禁してほしい。
アムロ「身構えているときには、乳首は来ないものだ」
言われなくてもおおおおおおおおおお!