【ドラマ】First Love 初恋

Netflix『First Love 初恋』を観たからそのレビューをしよう。

 


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あらすじ

1999年に発売され大ヒットした宇多田ヒカルの珠玉の名曲「First Love」、その19年後に発表された「初恋」。この2つの楽曲にインスパイアされ、新しいストーリーを紡ぎ出すNetflixシリーズ「First Love 初恋」。物語は90年代後半と、2000年代、そして現在の3つの時代が交錯し、20年余年に渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる一組の男女の物語。

(Filmarksより抜粋)

 

レビュー

素晴らしかった。初恋の根底を覆す最高純度の恋愛物語であった。

 

本作品はまず、宇多田ヒカルの「First Love」から着想を得て作られたインスパイア作品である。

初恋をテーマに、実らない切なさもありつつもそれでも前を向いていく力強さも感じる本楽曲なのだが、この作品もそれをテーマに話を紡いでいる。

正直、僕は宇多田ヒカルが人気だったときなんてまた生まれてもいない…むしろ前世終盤だったかもしれないっていう世代である。だがそんな僕でも楽しめたから、おそらく宇多田ヒカルの曲を彼氏彼女と一緒にイヤホンで聴いた世代の方々はきっとドンピシャで刺さるだろう。僕でも「ぐぶぉ!!!」と自分でも出したことがない声を出したからきっと宇多田世代の方々は「だはーーー!」と高音ボイス響かせながら悶絶するだろう。

 

あらすじが抽象的だから説明すると、高校時代恋仲だった満島ひかり演じるタクシードライバー、野口也枝と佐藤健演じる警備員、並木晴道がとあるきっかけで再会を果たすという感じ。

高校時代、いかにして2人が出会い、そして別れ今に至ったのか。時を経て2人がどのような運命を辿るのか。それを也枝の息子・綴の初恋模様を交えながら断片的に描いている。

 

満島ひかり演じるタクシードライバー、野口也枝と佐藤健演じる警備員、並木晴道…

満島ひかり演じるタクシードライバー、野口也枝と佐藤健演じる警備員、並木晴道…

満島ひかり演じるタクシードライバー、野口也枝と佐藤健演じる警備員、並木晴道…

 

にっあわねぇえええええええ!!!!

冴えないといったら2方面から殺されそうな気がするが、職業とキャストがアホほど噛み合ってないんよ!!!!なんなんだこれ!この噛み合いのなさは意図してるのか?!なぁそうとしかおもえんのよ!

満島ひかりが全身鏡で服を自身に照らし合わせている姿はもう洋服ブランドのCM。

佐藤健が街中歩いているだけでもうコーヒーのCM。キャッチコピーとかどーせ「コクのある人生を!」みたいな感じなんだろ?!わかるよ!

そんなアホほど輝いている2人がタクシードライバーと警備員やっているってのがもう最高に配役ミスすぎてまず面白い。

先々のことを見通すと2人を選んで正解だなと思うシーンはあるが、流石に職業は変えても良いんじゃないかなと思う。

 

そんな輝きまくってる2人を中心に動いていく恋愛物語なのだが、序盤の点と点の繋がっていく様が凄い。韓国の恋愛ドラマみてるかと思うくらいあれがこうなって…感が凄い。

也枝の息子・綴が好きな女の子が晴道が巡回してる場所で踊っていたり…その影から女の子を見ていた綴に晴道が女の子が踊っている時間教えてあげたり…そんなどんどん繋がりが生まれて疎遠だった2人が出会っていく様が個人的には楽しかった。

人生には価値ないものなどない。ひとつひとつがかけがえのないピースだ。

それを感じさせる展開がなんとも感傷的で良かった。

 

そんな綴の紹介で晴道と出会った也枝だったが、余所余所し過ぎる彼女の態度に晴道は涙目を浮かべる。

ここで観ている我々は「なんで!なんでこうなってるの!」と疑念を浮かべる。

イヤホンを共有してFirst Love聴いてたやん!初デートでタイタニックの名シーン再現してたやん!

 

なんで…なんで…

 

安心してください。そこは回想シーンでしっかり明らかになります。

この回想のね…小泉今日子が良いんよ。

小泉今日子は也枝の母・希波子役なのだが、役柄がもう最高。娘をいつも想っている母だからこそ娘の恋愛を車から見送ったり、晴道に対し「日付が変わる前に帰せ!あと妊娠させたら殺す!」と告げるシーンを温かく感じて物語に一味加えていた。

だがそれだけではない。物語が中盤に入ると「晴道と也枝がどうして別れたのか」に迫ってくる。そこら辺の小泉今日子の怒りを抱えた演技が凄まじく怖い。

小泉今日子の作品ってそれなりに見てきたけど怒るときって笑顔で嫌味言ってくる感じなんよ。

声的にそんないびり散らせないってのはあるがそれが逆によくて、女手一つで育ててきた母の疲れ様を見事に体現している。

だいぶキャストが眩しくて役柄と一致してないこの作品だが、小泉今日子はバッチリ合っていた。

そして小泉今日子ももう母の役やるようになったんだね。『最後から二番目の恋』のときの小泉今日子が好きすぎて母に「お前熟女好き?」といわれたあのときが懐かしい…

 

ただ、9話かけて高校時代と現在の2人の恋愛をやっていく。あまりに断片的すぎるから時系列はグッチャグチャである。そこら編の整頓のなされていない感じは人を選びそうだと感じた。

最初は「いやーー眩しいデスヨぉ!」と鼻息荒く見ていた僕も終盤の回想に「もうええて…」と呟いていた。

長いとは思ったが僕はこの演出の全てを嫌っている訳ではない。

長い時間をかけて昔と今の晴道と也枝の恋愛が終わりへと向かっていくこの構成は良かったと思う。

 

まとめ

ネタバレ抜きで言えるとしたらこんな感じだろうか。とにかく、面白かった。

花のち晴れの挿入歌であった「初恋」も作品の肝のようなシーンで挿し込んでくれたしもう文句なし。

自分の恋愛を彩った一曲。これを読み終わった貴方にはありますか?

 

僕はこれまで人並みに恋愛はしてきたけど、今が1番感覚的に恋愛を感じている。

「彼女」のことを想うと胸が苦しくなり、何度も目で追ってしまう。LINEの返信一つ一つ悩んでるし、自然と着飾ってしまう。

そういった意味でいえば今、僕は初恋をしているのかもしれない。

そんな僕の初恋を彩る一曲は現時点で言うと幾田りらの「スパークル」である。

 

おい!初恋を彩る一曲が失恋ソングってなんやねん!

 

って思うかもしれない。

僕は一度「彼女」にフラれている。諦めずに追いかけているのだが歌詞がぴったし自分の恋をしていた感覚と合致している。

聴くたびに感傷的になるし、頑張ろうと思える曲である。

良かったら是非。


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