最近見た映画の感想を供養していく。

明けましてどころか明けすぎちゃったので明けすぎておめでとうございます。わたいずです。

わたいずの今年の目標は「嫌なことから逃げない」です。大学生も折り返しになり、そろそろ"アレ"が始まります。

2024年を迎えることは大学3年生になるのと同義で、それは"アレ"をするのを認めてるようなものなのでホントは2024年を迎えたくなかったのですが、世界がそれを赦さなかったみたいです。

外出て何度も確認して2024年になったと分かった…いや分かってしまったときは、石原さとみが結婚したときと『呪術廻戦』で天内理子が脳天ぶちぬかれたときと同じくらい泣きわめきました。僕のなかの"青"、まだ澄んでいてほしかったです。

ちなみに留年という可能性を考えたのですが、友達に「お前、前期でどちゃしこ単位取ったから後期どんだけ単位落としても進級できるよ」と言われました。世界ってこんなにも残酷だったんですね。エレンの気持ちがわかりました。

でも歩み続けるしかないんですよね。

だってこれは──

 

僕が始めた物語だから。

 

かましいのはさておき、そんな苦しいことが待ち受けている今年ですが頑張ろうと思います。

手始めに見た映画をちゃんと書こうと思います。

そう決めたときには既に数本見たあとだったので今日は見た映画の感想をポンポン言ってこうと思います。

 

 

ゴジラ-1.0


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戦後間もない日本にゴジラが現れる話。

 

バチクソ面白かった。

ゴジラに関しては『シン・ゴジラ』とアニメ映画のゴジラ3部作ぐらいしかない。「いや多いだろ!嫌味言うなよ」という人、ゴジラファンと特撮ファンとアメコミファンは敵に回しちゃいけない。これでイキっていたらゴジラファンに一生パシリにされて焼きそばパン買うだけで僕の学生生活終わってるからね。

 

とはいえこの映画、当初は見る予定がなかった。友達とノリで映画見に行こうかという話になってエクソシストの続編と名前忘れたけど不時着した島が無法地帯のノンストップサスペンス映画とゴジラという、カレイの煮付けとおでんとシチューぐらいパッとしていないメンツだったから消去法でゴジラ選んだ。最近の映画ってマジでメンツがしょぼいよね。ビビッとの来るのなくて正直僕からしたらこの3つはかなり泥仕合だった。

 

ゴジラシリーズは正直言って興味がないのだが、泥仕合と言わせたのには山崎貴という名前が関係している。というのも、山崎貴で良い作品はあまり聞かないのが正直なところで、最近の作品のCGがちゃっちくてなかなか自分から見る機会がなかった。だからゴジラに関してもマイナスなイメージは持ってたよね。(-1.0だけn...)

でも今回のCGは度肝抜いた。序盤の主人公視点でゴジラを見上げるカットは脳裏に刻まれてるくらい見る者に恐怖と絶望を与える。

そして熱線描写。シン・ゴジラは背骨が紫色になってたけど今回のゴジラは背骨が隆起してしていくギミックになっている。そして熱線を出す刹那に無音の瞬間を設けた制作陣には頭が上がらない。過去一の貫禄があったと思う。

あと「-1.0」。あらすじでは戦後まもないなか、0になった日本の状況がゴジラによってマイナスになるって定義しているけど、作品を通して-1.0の意味が様々なところに散りばめられている。それを読み解いていく楽しさだったり深さを得ることができる最高の作品だった。

キャストもよかった。シン・ゴジラのようにキャストだけで小さな村作れるよね的な多さではなかったが実力派揃いだったのは確かだった。浜辺美波って昭和との親和性凄くて。昭和の人あるあるのやや早口な口調とか声とか出で立ち全てがもう昭和だった。もういいよ。浜辺美波の歩く半径200mはもう昭和時代ってことでいいよ。

あと安藤サクラ。この方が一番ヤバい。序盤でえげつない演技見せてくる。神木隆之介を食っちゃう演技してる。ダメだよ1人だけハリウッドレベルの演技しちゃ…ってくらい1人ずば抜けているからそこも面白かった。

 

THE WITCH 魔女/増殖


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命からがら施設から逃げ出した最強サイキックガールが人の姉弟に匿われながら追手の組織やヤクザ、中国の超能力者組織とバトる話。

 

微妙!どうしたTHE WITCH!!!

本作は続編で、前作の主人公も出てくる展開だったり前作のボス枠と同等の能力を持った輩が沢山出てくる面白さがあって前作よりもバトルのスケールが大きかった。

あと前作はヒロインの二面性が際立っていたんだよね。主役のキム・ダミは自分を拾ってくれた家族の窮地を救うためにオーディションに出る心優しい女の子だけど本当はIQがゲボほど高くて血も涙もないサイキックガール。そんな菜々緒でも演技できないくらいのギャップのある女の子に対し本作のヒロインは一貫性があって精神も幼く、純真無垢。「超能力者が逃げて人に匿ってもらっているけどそりゃバレるよね〜」というプロットは同じなんだけど主役の性格が違うから前作とは別物の話と思って見ることができたね。

だけど消化不良で終わるのが残念。この作品の消化不良というのは「後味の悪いエンド」とは似て非なる。

次作を踏まえたうえでの後味の悪いエンドを作っているのだ。

後味が悪いエンドって想像に任せるとか、終わったあとの余韻が長くて味わい深いところが、「ハッピーエンドという選択肢があるなかであえてバッドなエンドを選ぶ制作陣の大胆さや熱意」が伝わるんよ。だから僕は胸糞エンドも好きなんよ。そもそもこの作品はユニバース化しようとしていて、本作はそのユニバース全体の到達目標とかを描写して「じゃあ次作でやろっか!」と丸投げしている感じがしてきちゃったかな。次に託そうとする姿は長期休暇終わりかけの中学生みたいだなと思ったのだけど、映画って単体で評価されるべきだと思うんよな。次作を踏まえたうえで、「あの作品面白かったよね」とか単体が面白くないことを暗に示しているしそれを望んで制作陣がやっているのだとしたら「この作品はどう評価されてもいいんだよね?」という投げやり感を覚えてしまう。どんなシリーズでも、繫がりがあっても映画は単体で作られるべきだしその考えを制作陣は忘れちゃいけねぇぞ!と思っちゃったね。

 

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト


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数々の任務をこなし、固い絆で結ばれたドム率いるファミリーに、父を奪われた復讐鬼が襲いかかる話。

 

安定の面白さであった。

後付といったらワイスピ!死体がなかったら絶対死んでないでお馴染みのワイスピ!

いや僕も登場人物が死ぬのは嫌だけど、「実は生きてましたー!」っていう展開がこの作品多すぎる。ハンはどこからどう見たって死んだろ。「マジック」は無理がある。Mr.マリックでもできんよ。で、種明かし映像も無理あるんよな。

でも生きてるんです、死体が描写されなかったから!

ガバガバすぎるでしょ。

ってのが前作だったんだけどこのシリーズ、面白いから憎めないんだよな。

「背負うものがあるから強くなれる主人公」ドムと、「背負うものがないから強くあれるヴィラン」ダンテの対比が作品全体から感じられて良かった。

あと、リトルBの立ち回りがよくて、かつてない窮地に落ち込むドムを支えるところが好きなんだけど、本作は2部作で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』みたいなものだから「仲間の絆はあてにならん、父親と子供の絆が全てだ」みたいなことを言うダンテのメンタリティが皮肉に反映されていて絶望感凄かった。

あ、そうそう。さっきの魔女増殖も同じように本作も二部作構成で展開とかも次に繋げてたけど熱意が凄かったかな。クライマックスまで怒濤の展開で「どどどどどすんの?どーすんの?」ときったねぇ20歳がウマ娘みたいなことを言っちゃうくらいにはよく作られていた。そういうところだぞTHE WITCH!!!

でも観る側思ってるんじゃないかな。

もう車の時代は終わったんだ。

と。

いやまだ人間の交通手段の主体は車だけど、なんだろうな…車でレースとか車が俺の青春だ!みたいな時代はもう過ぎただろって思うんよね。ここ最近のワイスピを思う度に「時代に合ってない感」をどことなく感じる。

でもそこをちゃんと描写してる。ワイスピ君もコンプレックスだったんじゃないかな。昨今のワイスピに思う「もう車って時代じゃないだろ」みたいなところも本作で補われているからかなり内容が凝縮されている作品だった!

ラストは映画館行くわ、マジで。

 

イノセンツ


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北欧の団地に住む4人の子どもたちの"遊び"が団地を巻き込む事件へと発展していく話。

 

独特な面白さだった。

すれ違う両親のもとで暮らす子供、虐待を受けている子供、母から目をかけられている自閉症の姉に嫉妬する妹。そして姉。

その4人が複雑な背景を持つが故に起こり得る話かと思うとかなりゾッとさせられる作品であった。

 

子供の恐ろしさが全面的に出ていた話であったが、同時に大人っぽさを感じる話であった。

普通の子なら自分たちの手に負えない事態に発展した場合、その場から目を背ける。

だが本作品の子供たちは決してそんなことはなかった。ケジメつけようぜといわんばかりに「私達の問題」であることを全面的に押し出す。え、ヤクザの家系なん?!ってくらい大人を頼らないところが肝が座ってる。作品のはじめからおわりまで一貫して子供主体の物語であるところが、子供の可能性を感じられた。

基本的に静かな作品で動物を痛めつけたりする描写があるから苦手な人はオススメできない。ただ、「普通のスリラー映画は嫌だ」って人には十分オススメできる作品だと思う。

 

ヴィーガンズハム


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バカおもろい。

肉屋を営む倦怠期の夫婦が、店を襲ったヴィーガン過激派を殺してお肉として提供したらバチクソ美味しくて味をしめていく話。

 

トチ狂っている話だが、中身がしっかりしている。人肉を提供することの罪悪感と提供しないと店が立ち行かないという使命感で葛藤する夫婦が後半で味しめてテンポ良くなっていく様とか、ちゃんとハラハラする展開や価値観の変化を描写しているところが、「ただヴィーガンを一方的に批判する映画」ではなくて一本の映画として成立していて楽しめる。

型はしっかりしているが、そこまで内容が詰まってないから語る内容も少ないが最初から最後までくすっと笑えるので、グロいの苦手な人以外は全員見てほしい!

 

太陽は動かない


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24時間ごとの定期連絡を怠ると心臓に埋め込まれた爆弾が作動する2人のスパイが、次世代エネルギーを巡り、企業やスパイと諜報戦を繰り広げる話。

 

おもろかった。

さほど難しくもなく、繰り広げられる諜報戦の情報内容も少なくかつ抽象的だからスパイ映画未経験者は楽しめる。

むしろ諜報戦というよりかはキャラクター性に重きを置いているんだよな。過去を掘り下げて伏線回収を多くしたところとか、藤原竜也のフォームだだ崩れのアクションとかが過去を捨てて機械的に生きるスパイの在り方とは異なっていて、他のスパイ映画との差別意識を感じられた。

だが、伏線回収をキレイにするあまりライバルのスパイの動向が不可解なのが気になった。見終わったあと「え、じゃああれってなんでなん?」となったところが残念だった。

あと、トリリンガルの日本人女優を起用すべきだと思った。韓国人のキャストの日本語がタジタジなんだよな。藤原竜也は「スパイらしくないスパイ」を演じて良い。でも他のキャストは「完璧なスパイ」を演じてほしかったんだよな。まぁでもそんなキャストいないよな。海外ロケがメインで1人も外国人キャスト使わず日本人キャストでやるスパイ映画は狂気の沙汰としか思えないもんな。だとすると仕方なかったのかなともおもう。

連続ドラマも当時見ていてマジで気になってた作品、見れてよかったです。

 

まとめ

最近見た映画、ハズレがない。これに尽きるな。結構イノセンツからは衝動的に映画を選んでいるんだけどこうもおもろい映画が多いと自分のセンスに酔いしれちゃうね。

とはいえ、心の底から見たい映画がなくて、暇つぶしで映画見てる感があるんだよな。だから、いまいち湧き上がらないというか。「見なくてもいい映画」を見てるというか。

去年とか一昨年はそんなのばっかだったんだけどそうはいかないみたいやね。まじで心の底から見たいと思わせる映画を作ってほしい。見たあと、あまりのつまんなさに衝撃すぎて詐欺罪で訴えたくなるレベルで見せかけでそそらされる映画を見たい。

そんなことを書きながら、私の2024年、開幕と致します。