wataizuのブログ

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現実と非現実が交錯している恋愛物語

こんばんは、wataizuです。

昨日ブログ更新できなくてすみません!見ようと思ってた映画を先延ばししすぎて日にち経っていました。

先延ばしにした主な理由としてはこれです。


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ワイヤレスイヤホンを買ったんですよ!もともと5000円だったんですけどTwitterのRT当選企画のやつを参加していたら3000円くらいのAmazonギフト券を手に入れて、それにプラスするように1000円引きのクーポンを使ったので1000円で買うことができたんです。

それでやっぱり届くと使い込みたくなっちゃう質なのでずっと音質の良さに聞き入ってしまって結果ブログ更新できなかったという訳です。

本当にすみません!

 

で、じゃあ今日は映画レビューするのかと思う方もいると思いますが時間たっぷり使えたので小説のレビューをしたいと思います。

 

「あいつを好きな君の横顔が、たまらなく綺麗だったから──」中学時代に福岡へ転校した瑛太は、高校生活残り3ヶ月という時期に、再び父の転勤のため地元・鎌倉へ戻ることになる。転入した高校には、かつて淡い恋心を抱いていた美緒と、美緒が心を寄せる陽斗の姿が。瑛太にとっては中学時代の野球仲間である陽斗は、ある女子に「告白してくる」と言い出して………。

 

今日レビューする小説は『Just Because!』です。


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作品紹介

本作品は2017年の作品になります。

作者は鴨志田一(かもしたはじめ)。『さくら荘のペットな彼女』やあの有名な『青春ブタ野郎』シリーズの作者ですね。小説を書く一方で『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の脚本も担当している方です。

そんな本作品はあらすじも読み取れるように恋愛小説です。受験、卒業、恋。高校生達のきらめきと揺らぎを描いた青春群像劇になります。

ちなみに出版された同年の2017年には既にアニメが放送されています。


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そんな本作品の登場人物は6人で主人公は2人です。

1人目は泉瑛太(いずみ えいた)。もともと鎌倉出身だったものの、中学時代に父親の転勤で福岡で暮らし、鎌倉にまた戻ってきた男子校生ですね。

2人目は夏目美緒(なつめ みお)。生まれも育ちも鎌倉で瑛太とは中学の時親しかった女子高生ですね。

この2人が瑛太の友達であり夏目美緒の想い人である相馬陽斗の登場によって関係性が変わっていく感じで物語が始まります。

 

レビュー

リアルのような、リアルじゃないような。

読んだ最初の印象がこれですかね。

パッとしないという意味で言っている訳じゃありません。良い意味で言っています。

仕草や心情描写がリアルで台詞や展開はノスタルジックなんですよ。

読んでみると分かるのですが、小説を構成する要素のどこを現実的にして、どこを非現実的にするかを規定しているところに惹かれました。

まずは仕草。青春ものの作品には触れてきて小説もあらかた読んではいますが人差し指と中指の間に消しゴムを挟み転がす描写は見たことがありません。

でも誰しもやったことがある仕草じゃないですか?これ。少なくとも僕はやったことがあります。

高校生がしがちな仕草を細かく言葉にのせて表現できているところに魅入られましたわ。

次に心情描写。僕は恋に気付く描写と大晦日ならではの感覚描写に現実味を帯びているなと思いました。

恋に気付く描写。本作品では「心臓がバクッと跳ねる」のような表現が多用されていますがそれはもう既に恋しているからこその描写なんですよ。

じゃあ恋に落ちていることを自覚する描写はというとこれがまた複雑に表現できていて。

複雑故に表現しにくいのですが「修羅場から逃げた」という事象を噛み締める形で恋心を実感しているんですよね。

従来の恋愛小説において恋心に気付く描写というのは想い人の言動等を思い出して胸が熱くなってそれを恋心と定義する…というのがほとんどだと思うんですよ。

でもこの小説においては自分が修羅場から逃げ出し、自分がいなくなったことで想い人がどのようなことをしているのかを想像することで「あぁ好きだったんだな」と実感するんですよ。それが今までにない表現かつ、複雑で高校生という年頃ならではの感覚なのかなと読むことができました。

じゃあ高校生同士のリアルな恋愛を描いた話といわれるとそうでもない。

展開がすっごくベタですね。ちょっと共感性羞恥味わうくらいベタ。

でも最近の恋愛ものはそういう展開を忌避しているイメージがあるんですよね。

『Just Because!』はラノベなので他のラノベと比較すると近頃の恋愛もののラノベってひねくれてるんですよね。

「好かれていると思ったら全く別の相手だったぁ!」みたいな恋愛ものとか「幼馴染みががんばるぜぇ!」みたいな恋愛ものとか既存の価値観を壊すような設定を軸に話を進めていくのが昨今のラブコメなのでこういったベタな展開が多い小説はとても新鮮でした。

恋愛の行く末を左右するような大事なことを別のことで決めようとするところとか、ばったり仲の良い人が異性とじゃれているところを目撃してしまうとか。

若手俳優やデビューしたてのジャニーズがやるような青春映画みたいな展開なんですよ。 

でもそれが良い。個人的にはグッと心に来たので冷めることなく読み進めることができました。

台詞に関しても青春映画あるあるかなーなんて思いました。

青春映画のヒロインの友達はきまって「何か悩んでいたらいつでも相談してね」って言いますよねー

あと主人公をクライマックスの告白に向かわせるような台詞「ゆけーーーー!」とかもあるあるですよねー

でも終盤に相応しいほどの熱量を帯びていたので気に留めず読み進めましたねこれも。

現実味と非現実味が調和している上手い作品だなと思いました。

 

一文のインパクトが凄まじい。

場面が切り替わる、最後の一文に注視して読み進めてもらいたい作品です。

例えば瑛太が美緒をセンター入試の試験会場に送り届けるシーン。

自信がない美緒に問題を投げ掛けて答えさせることで自信をつかしていた瑛太は美緒に試験会場前で合格祈願のお守りを差し出すんですよ。

そして見送るのですがそのあと登場人物達で会話しているグループLINEから美緒に向けた様々な励ましのメッセージが飛び交うんですよ。でも瑛太は「がんばろう」のスタンプを送ろうとしてやめるんですよ。

なぜかというと、次の一文。

「想いは渡したお守りに十分込められているから。」なんですよねー!

ここのインパクトが強くてガツンと心に刺さりましたねー。

結構説明してしまいましたがその文章に至るまでの過程が素晴らしいのでそこは是非読んでみてください。

 

ラストがな…

どーも急に終わらせた感が強いのが心残りです。

文量においては少ない方なんですよ。同じ厚みの本で『春夏秋冬代行者』という本がありまして。

これと同じくらい濃密な作品なのかなと思ったのですが意外に早く読み終わりました。まぁ文字も『春夏秋冬代行者』に比べて大きく、内容もそこまで重くなかったので比較対象としては適任ではないと思いますが、なら尚更ラストをしっかりやっても良かったんじゃないかという印象です。

恋愛もののクライマックスたる「想い人への告白」。その告白を粗末に扱ってる感がすごかったですね。

まぁ中途半端に終わらせることで「あとは読者の想像に任せるぜ」という感じになるので作者はそれを望んだのかなと思いますが………うーん。僕はちゃんと描いてほしいなと思いました。

「え、もう終わり…?」というのがラストに対する感想です。

 

舞台が分かりにくい。

鎌倉が舞台なので理解できる読者の層が限られている作品かなと思います。

僕は鎌倉行ったことないので江ノ島といわれてもよくわからないし県道32号線といわれても疑問符しか浮かびませんでした。

むしろモノレールすらピンときてないですからね?!

 

あまり情景的な要素が恋愛に絡むことがなかったので架空都市でも良かったんじゃないかと思いました。

 

タイトルの意味が不明瞭

なんというか理解しにくいんですよね………

ちなみに「Just Because」は「だからと言って」という意味です。

「だからと言って」。普段何気なく使っている表現でもこうして見るといまいちピンと来ませんよね。なので定義を調べました。

ある事実や見解を、それ自体は許容した上で、その許容に伴い許容されるものと一般的には推測される他の事項については、許容しないことを示す表現

ますますピンと来ないので例文を用意しました。

 

このレストランは高い。だからと言って美味しい訳じゃない。

 

まぁイコールで結ばれる定義が今は通用しないというときに使われる言葉なんだと思います。

高いレストランは美味しいというイメージがある。でも今はそうではない。だからこそ「だからと言って」を接続詞として用いると思います。

そう言われてみると本作品は「だからと言って」と思わせる要素がある気がします。

でもそれじゃダメなんですよね。

読み手が伏線に自信を持てないようじゃダメだと思うんですよ。

なので「だからと言って」を強調させるような文章表現がほしかったです。

なのでタイトル伏線回収は清々しいほど鮮やかなものではありませんでした。

 

総評

面白かったです。高校生でしか味わえないような淡く甘酸っぱい恋模様を複雑な心境と絡みながら紡いでいる様子がとても面白かったです。

雰囲気は『ホリミヤ』と似てますね。登場人物多いし男主人公と女主人公を視点切り替えて描いているのでそういうところがホリミヤと通ずるところあるのかなーなんていう印象です。

このレビューを見て興味をもっていただけたら幸いです。

気になった方は是非、調べてみると良いかもしれませんね!

 

余談

ちょっとカルチャーショック受けましたわ。

うちの学校って指定校推薦で決まったら共通テスト(センター入試)受けないといけないんですよねー

理由は「指定校推薦決まって怠けると学力低下に繋がるとか」。

これ全国共通認識かと思ったら違かった………


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ふざけるな!ふざけるなバカヤロー!

 

Amazonにもありますので是非↓

 

 

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