【映画】レヴェナント 蘇えりし者

今日はDisney+で『レヴェナント 蘇えりし者』を見た。

 

 

あらすじ

狩猟中に熊に襲われ、瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス。狩猟チームメンバーのジョン・フィッツジェラルドは、そんなグラスを足手まといだと置き去りにし、反抗したグラスの息子も殺してしまう。グラスは、フィッツジェラルドへの復讐心だけを糧に、厳しい大自然の中を生き延びていく。

引用元:レヴェナント 蘇えりし者 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

 

レビュー

あまり面白いと感じなかった。上質だったが退屈に感じてしまう映画だった。

まず導入が長い。

この物語における導入はレオナルド・ディカプリオ演じる主人公、ヒュー・グラスが熊に瀕死の重傷を負わされ手当てした仲間にも見捨てられ、息子も殺されるシーンを指す。

これで50分。

冒頭のシーンは仲間が原住民族であるアリカラ族の襲撃を受けてグラスや息子も狩猟から駆けつけて応戦するも撤退を余儀なくされるシーン。

ここはカットして、字幕で始まる前に出しても良いと思った。

こうしてグラスとその一味は撤退して目的地に行く最中でグラスは熊に半殺しされたんだよーっていうのをいいたい為に設けたシーンなのだろうが僕は省いても良いなと思った。

ここを省いたら10分は削れる。他の熊との格闘や、見捨てられるところなどはちゃんと尺とっていてよかった。

だが中盤。ツッコミどころ多いサバイバルシーンが続く。

例えば焚火があるのに魚や肉を生で食べるパート。

計2回あるのだが一つは男と見つめあいながら牛の生肉を食べるシーン。

みるからにアリカラ族と似ているような容貌だったから生で食べる主義なのかなとは思うが「加熱してから食べた方が美味しいのに」とも思った。

そしてもう一つはグラスが川に手を入れて魚を生で捕まえそのまま食らいつくシーン。空腹が絶頂にいっても僕は近くに焚火があったら加熱する自信がある。

あと、夜が明けたら同行していた男が首つりされているなどついていけないシーンがあったが一方でなるほどなと思うサバイバル術もあった。

馬と崖から落ちるシーンがある。馬は死ぬのだがグラスは寒さを凌ぐ為に馬の腹を裂いて臓器を出したうえで中に入る。死後まもない生物の体内は温かいから中に入るというのは納得がいった。中に入れば焚火にあたるよりも広範囲に体を温められるしな。

まあこんなツッコミどころの多い中盤だがやはり話があんまり前に進まなくて退屈だった。ここら辺は何か作業しながら見てもいいようなくらいだらだらとしていた印象だ。

そして物語は終盤。

フィッツェとは別に砦についた仲間は今にも倒れそうな面持ちのグラスを保護する。フィッツェから死んだと聞いていた仲間の隊長はフィッツェを探すが時既に遅し。砦をあとにしていた。隊長とグラスはフィッツェを捕まえにいくが隊長は撃たれて命を落とす。銃声を聴いたグラスはフィッツェを見つけふたりは殺し合いを始める。

ここら辺はかなり息をのんだ。互いに立場があって…的な話ではないがこちらは目の前で息子を殺され生き埋めにされそうになったのだ。

見る側の感情が完全にグラスにいっているためフィッツェ死んでくれないかという殺意を持ちながら見ていた。

そしてフィッツェは腹を刺されながらグラスにこう言う。

 

こんなことしても息子は戻ってこないぞ。

 

一気に胸糞になったな。このセリフ、言ったもの勝ちみたいなところあるからな。ここで殺意がやるせない気持ちになる。

結局アリカラ族があらわれ彼らがトドメを刺すのだがグラスの顔は晴れることはないままエンドロールへと移る。

復讐ってこんな感じなんだろうな。スカッとはしない。むしろ復讐というのは活力なんだなとこの作品を通して僕は感じる。

グラスは熊に半殺しにあった際、傷を縫うために足を抜かれた。それ故歩くのが困難だったのだが徐々に回復していっている。

これは何故かとやっぱりフィッツェを殺すという復讐心が彼を回復へと向かわせたんだろうね。あきらめて死ぬこともできたが彼は立ち止まらず歩き続けた。

復讐心は生きる活力。果たすために与えられる人生の臨時の大目的。

ラストで彼の顔が浮かばれなかったのはフィッツェの苦し紛れの一言もあると思うが生きる目的を失ったからなのではないかというのが僕の考察である。

 

まとめ

展開が長ったらしく、無駄なシーンが多い退屈な映画。だが熊や復讐相手とのバトルはかなりよかった。あとサバイバル術も。

そういえば熊から逃れる方法は背を向けるのではなく死んだフリをしたり硬直すると良いらしい。グラスはその方法を実践していた。

この映画で見て、サバイバル術を実践する機会は都市にいれば限りなくゼロだが、「サバイバル映画でオススメな作品」みたいな企画があったら僕はこの映画を選ぼうと思う。

ま、そんな企画を見るのも限りなくゼロだと思うが。

 

 

 

【映画】フリー・ガイ

最近加入したDisney+で映画『フリー・ガイ』を見た。

 

 

あらすじ

ルール無用のオンライン参加型アクションゲーム「フリー・シティ」。銀行の窓口係として強盗に襲われる毎日を繰り返していたガイは、謎の女性モロトフ・ガールとの出会いをきっかけに、退屈な日常に疑問を抱きはじめる。ついに強盗に反撃した彼は、この世界はビデオゲームの中で、自分はそのモブキャラだと気づく。新しい自分に生まれ変わることを決意したガイは、ゲーム内のプログラムや設定を無視して勝手に平和を守り始める。

引用元:フリー・ガイ : 作品情報 - 映画.com

 

レビュー

面白かった。王道なアクション・王道な展開だったがライアン・レイノルズ節がさく裂していた素晴らしい映画。だが一方で抜けがあるようにも思える映画だった。

「フリー・シティ」は銀行強盗や殺人が日常茶飯事で行われているオンラインゲーム。ちなみに「レディ・プレイヤー1」とは違いVRゲームを舞台にしたゲームではないため、「グランド・セフト・オート」に近いようなゲームだと思って構わない。

主人公ガイは銀行員NPC。金魚を愛でてお決まりの青いシャツを着て出勤。銀行強盗が来たら伏せて、彼らが去るまで警備員の親友、バディと一緒に彼女が欲しいという話をする日々。お決まりのセリフは「いい一日ではなく、素晴らしい一日にしよう」。

そんな彼がある日、プレイヤーのモロトフ・ガールという女性に一目ぼれしたことで物語は始まる。

後々の展開でモロトフ・ガールに恋したことで彼の自我が目覚め、ゲーム最初の人工生命になったといわれているが個人的には彼女が欲しいと思っている時点でだいぶシンギュラリティを突破していると思う。だから会話相手のバディもシンギュラリティ突破していると僕は見ている。

こういう考察を生み出さないためにも、最初のガイの日常はNPCという設定を徹底した方がよかったと思った。心情描写要らず、ただただ話しかけられても「いい一日ではなく、素晴らしい一日にしよう」というだけの日常パートで良いのではないかというのがこの部分に対する僕の意見である。モロトフに恋したところで初めて感情があることを知って…という感じの方が筋が通っていると思う。

NPCは訊かれたことに対して10も満たない程度の返答しかできない。それを制作陣は念頭においたうえで製作してほしかった。

モロトフを追うなかで彼はプレイヤーの象徴であるサングラスを奪い、プレイヤーとしてモロトフと同じところに立てるようにレベル上げを行っていく。

ここら辺のパートはMCU作品にありがちな音楽にのせながら成長をハイテンポで描いている「あれ」。凄くよかった。成長だけでなくそこにライアン・レイノルズならではの面白さを組み込んでいたから楽しんでみることができた。

そしてモロトフと同じところに立ったところで話は本題へ移る。

モロトフはゲーム開発者で実は「フリー・シティ」の原型を作っていたのだ。しかしそれを大手ゲーム会社社長、アントワンに盗用されていて現在訴訟を起こしていた。そしてその盗用の証拠が「フリー・シティ」にあるらしい。

アントワンは「フリー・シティ」の続編を発売しようとしている。もし続編のサービスが始まれば「フリー・シティ」の全データが書き換えられ、NPCは全員いなくなる。そうなれば盗用の証拠もなくなる。

モロトフはガイに「この世界はゲームなの!」と説明して全データが消されないためにも盗用の証拠を得る協力をしてほしいと頼む。

だがこの世界を偽りの世界だと思っていなかったガイは大ショック。

ここら辺はちょっと遅いマトリックスという感じかな。でもマトリックスのネオよりも凹んでいた。

目に見えている光景は実は偽物で同じレスポンスしかしてこない人間。それに気づき始めたら何したって無意味に感じてくる。

でも親友バディはこう答える。

 

俺がリアルじゃなくてもこの瞬間はリアルだ。今俺は親友を助けようとしている。これがリアルじゃなかったら俺にはわからない。

 

ここ、すごくよかった。例え世界が偽りでも(リアルじゃなくても)今直面している事実は本当(リアル)だ。「世界が偽りだから」ということは目を背ける理由にはならないといいたいのだろう。

ここのパートはなかなかに感動した。落ち込んだ主人公を登場人物が励ますシーンは割と回りくどいことがあってたまに退屈するのだがこれはわかりやすく、それでいて心動かされた。

そのあとはガイが盗用の証拠をとりにいく展開。

アントワンはそんなガイを倒そうと最強キャラ、デュードを投入させる。

このデュードからの攻撃の防ぐためにでてきたアイテムこそ、キャプテン・アメリカの盾。

いやホントにここ驚いた。そのあとアベンジャーズのbgm流れてきて挙句の果てにはキャプテンが画面見て「俺の盾じゃん」と言う始末。

あのキャプテン、髭があったから『インフィニティ・ウォー』ちょい前なのだろうか。

ここまでやっちゃって大丈夫なのか?冒頭にMARVELのロゴぶちこんだ方がいいんじゃないのか?と思うくらい羽目を外しているのが凄くよかった。

デュードを倒したあとは崩れ落ちる地面から必死に逃げる王道なアクション。バディの退場シーンのときは地面崩れ落ちなかったのは不自然だなあとは思った。割と喋ってたしな。一言で収めてほしかった。

そして盗用の証拠を見つけ、アントワンは失脚。モロトフの中の人、ミリーは共同開発者のキーズとキーズの友達のマウサーと共に自分たちで続編「フリー・シティ2」のサービスを運営していく。でもミリーはガイに惚れているため会いに行く。

でもガイは自分はラブレターという。

どうやらガイはキーズが作ったキャラであり、理想の女性にミリーの特徴を設定していたのだ。

それを知ったミリーはキーズに会いに行き、ガイもバディと再会して物語は終わる。

ここ、ぶっ飛びすぎ。

そもそもNPCに理想の女性を設定するのだろうか。プレイヤーはボイスが基本らしいからどんな答えが来ても対応できるように設定したのだろうか。

じゃあカップラーメンのなかで好きなやつは何かとかでも返答できるのだろうか。僕はマルちゃん正麺カップラーメンなんだけど、君はどう?みたいな。キノコの山とタケノコの里、どっちが好きとかも設定しているのだろうか。

流石にモブキャラ一体にそこまで設定してはいないだろう。していたら本当にもの好きである。

でも理想の女性をモブキャラに設定する意味はないなと思った。キーズはキャラクターに自分を重ね合わせる前にミリーにアプローチしろよ。

一目惚れしたガイが不幸で仕方ない。バディと再会してハッピーエンドっぽいがそこはちゃんと報われてほしかった。

 

総評

王道な展開の感動映画だったがNPCの設定やラストが都合よく感じられてしまった。

結局この結末にもっていくために後付けしたんだなと思われても仕方ない設定だった。

だが『デッドプール』のライアン・レイノルズが主演っていうのもあってか商標ひっぱりまくりの作品になっているのがよかった。

ライアン・レイノルズにはこれからもハチャメチャな作風の、第四の壁なんて小指で壊す勢いの作品をやっていってもらいたいと思った。

 

ちなみにマルちゃん正麺カップラーメンはこれ。量は少ないのだが、味が凄く良くて好き。なかでも味噌味をオススメしておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

【映画】MCU個人的ランキング(NWH以外)

スパイダーマン/ノーウェイ・ホーム』(以後NWH)のムーブメントにならって実は1月の下旬からアベンジャーズなどのMCU作品を一挙見した。

27作品みたなかで今日は上位五位を個人的にランク付けして紹介したいと思う。

 

5位:マイティ・ソー/ダークワールド

アベンジャーズのメンバーにして北欧神話の雷神、ソーの活躍を描いた単体作品。2022年現在あるマイティ・ソーシリーズの2作品目である。

 

英ロンドンに原因不明の重力異常が発生し、ソーの恋人で天文学者のジェーンが調査に向かうが、そこでジェーンは地球滅亡の鍵となる「ダーク・エルフ」の力を宿してしまう。事態を打開するため、ソーはジェーンを連れてアスガルドに戻るが、そのせいで家族や故郷を危機的状況に陥れてしまう。最後の手段としてソーは、血のつながらない弟で宿敵でもあるロキの力を借りることになるが……。

引用元:マイティ・ソー ダーク・ワールド : 作品情報 - 映画.com

 

この作品、何がよかったかというとロキの立ち回り

ロキとはソーの弟にして巨人の息子。オーディンが引き取り、以後ソーの弟として育てられた血の繋がらない弟。

前作ではアズガルドに攻め入ろうとしたりアベンジャーズ1作目では四次元キューブをつかって地球に攻め入ろうとするなどMCUではヴィラン的な人物なのだがアベンジャーズでソーに連行され、アズガルドの監獄所に収容されていた。

だが物語の中盤でソーに必要とされたことで協力するのだがなんといっても信用ならない。前作とアベンジャーズで一杯食わされているため、彼が出るたびに半信半疑な視線で見てしまう。

しかし物語の後半でこの男、かなり良い活躍をしてくれる。そして最後にはまた一杯食わされるという一本とられた作品である。

このロキの立ち回りにかなり翻弄された為、個人的にはかなり面白かった。

また、アベンジャーズででてくることがなかったヒロイン、ジェーンの美貌をお目にかかれる良い映画でもある。

総合的にかなり記憶に残る作品であった。

 

 

4位:キャプテン・マーベル

製作年は2019年。マーベル作品の始まりともいえる作品。

時系列でいうと、MCU最初の作品『アイアンマン』よりも前といえる。

 

1995年、ロサンゼルスのビデオショップに空からひとりの女性が落ちてくる。彼女は驚異的な力を持っていたが、身に覚えのない記憶のフラッシュバックに悩まされていた。やがて、その記憶に隠された秘密を狙って正体不明の敵が姿を現し……。

引用元:キャプテン・マーベル : 作品情報 - 映画.com

 

見る順番的には『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のあとになるのだがいかにしてどうやってアベンジャーズが生まれたのか。どのようにしてアベンジャーズのキーアイテムの四次元キューブがシールドに渡ったのかがよくわかる作品である。

で、このキャプテン・マーベルというのが本作品の主人公にしてヒーローなのだが他のアベンジャーズに比べてかなりステータスが高い。

最初のうちは「手から炎みたいなエネルギー出すだけじゃん!」と思うかもしれないが終盤恐ろしいほど覚醒する。圧倒的過ぎて最早笑ってしまうレベル。

そしてこの作品はキャプテン・マーベルであるキャロルが自分自身を知る話でもある。

そこの演出がドキュメンタリー感を帯びていてとてもよかった。同時にキャロルの意志がうかがえる画面の色合いに心ひかれた。

本作品の敵は擬態する…という自分以外誰も信じるな系の作品。会った相手が擬態していて闘う…という感じで前半の戦闘が始まるのだが後半から意味が変わっていく。

信じていた人間が敵になるのだ。擬態を抜きにして真の敵がでてきたとき、かなり驚いた。

また、ニック・フューリーが相棒ということで彼がアベンジャーズ計画に着手したのも納得がいく流れでとてもよかった。

アベンジャーズ/エンドゲーム』での彼女の活躍に期待が膨らむ、そんな作品になったという点でかなり面白かった。

 

 

3位:キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

アベンジャーズのメンバーであるキャプテン・アメリカの活躍を描くシリーズの二作目。

 

アベンジャーズ抹殺計画、始動 アベンジャーズの戦いから2年。アベンジャーズのメンバーであるキャプテン・アメリカ、ニック・フューリー、ブラック・ウィドウは、これまで共に戦ってきた仲間である国際平和維持組織シールドから、突然生命を狙われる。巨大な包囲網を逃れ、逃亡者となった彼らであったが、謎の暗殺者“ウィンター・ソルジャー”が立ちはだかる…。誰が味方なのか、そして真の敵は誰なのか?正義をかけた究極の戦いが幕を開ける。

引用元:キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信|マーベル公式

 

時系列としてはアベンジャーズ1作目の物語である。

この映画はアクション、展開共に最高だった。

まずはアクション。質感が高すぎる。目まぐるしく動き回るキャラクターを疾走感あるカメラワークで捉えられているしなんといってもかっこよすぎる。

密室での闘いやウィンターソルジャーとの闘い、肉弾戦や銃撃戦。覚えているだけでもかなりあるのだがこれらのアクションのひとつひとつが言葉では表せられないほど重厚なアクションをしているのがよかった。アクションでいえば全作品のなかで一番好きだといえる。

そして展開。これもまた素晴らしい。ウィンターソルジャーがキャプテン・アメリカの必殺技の盾投擲をキャッチするシーンには発狂したし、ウィンターソルジャーの正体を知ったときは驚きすぎて平泉成みたいな声が出た。

また、黒幕の存在に歓喜したし、登場人物同士のアクションのマッチングも適確で心が燃えた。

そして今回、仮面ライダーでいうところの2号ライダー的なポジションであるファルコンの登場もよかったし彼の飛行アクションもなかなかだった。

そういった点では終始脱帽させられた作品だった。

 

 

2位:アントマン

アベンジャーズのメンバーであるアントマンのシリーズ1作目。時系列では『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の前である。

 

仕事もクビになり、養育費が払えないため最愛の娘にも会えないスコット・ラング。そんな崖っぷちのスコットに、謎の男ハンク・ピムから意外な仕事のオファーが届く。それは、体長わずか1.5センチになることができる特殊スーツを着用し、「アントマン」になるというものだった。選択の余地がないスコットは渋々ながらもアントマンとなり、人生をやり直すための戦いに乗り出す。

引用元:アントマン : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

 

これは申し訳ない。ビジュアルがかなり刺さった。

だがこれだけではない。この作品はMCU作品のなかでもかなり個性的な部類のヒーローといえよう。

体を小さくなることができるのだ。そこのミクロ演出が繊細に描写されていてよかった。

そしてアクション。ミクロのなかでの戦闘は斬新でどこか可愛い。それをコミカルに描いていたのがよかった。

終盤のバトル。よくありがちな列車を巻き込んだバトルなのだがその列車がきかんしゃトーマスのおもちゃ。それをはしらせて敵を轢こうとするのだがいかんせん僕らの視点からするとシュールに見える。そのギャップが愛おしくて面白かった。

展開もアツかった。物語の中盤、科学者であるスタークの施設に潜入しようとしたのだがそこはもうアベンジャーズの施設。しかし目的のものを盗むためアントマンは施設に潜入するのだがそこでアベンジャーズの一人と戦闘することになる。

誰かは見てのお楽しみだが凄く高級な展開でわくわくした。

また、成長過程もかなりよかった。戦闘とは無縁な男がヒーローになるため、鍛錬とスーツになれる訓練が求められる。

そこのシーンが丁寧に描かれていてよかった。アイアンマンを作るトニーみたいな感じで地道に成長しているのが個人的に凄く興奮した。

2作目は個人的には合わなかったがMCU作品のなかでの推しにさせたという点では非常に思い入れが深い作品である。

 

 

1位:アベンジャーズ/エンドゲーム

本作品はアベンジャーズ最終作である。製作年は2019年。

 

前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描く。

引用元:アベンジャーズ エンドゲーム : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

 

アベンジャーズ…アッセンブル

 

本当にこの一言に尽きる。今までくじけずに見てきたMCU作品はこの作品の為にあるんだなと認識させてくれる作品なのだ。

物語の中盤、過去の作品群にタイムスリップしそこでサノスが狙うキーアイテム、無限の石(インフィニティ・ストーン)を奪取する展開があるのだが、過去の単体作品を見ているからこそ「あ!あのシーンか!」「ううぇえ!あのキャラも実はいたの⁈」と口にしてしまう面白さがある。単体作品のシーンを彷彿させるところもあるからそういった点ではさきほど挙げていった4作品の出してくるムネアツ展開よりもムネアツだった。

そして終盤。最早涙を流すくらいムネアツ。これ以上のムネアツあったら肺炎患って入院してしまうんじゃないかというくらいのムネアツ展開。

今までのMCU作品のキャラクター総出で出てくるのだ。それでアベンジャーズのあのbgm。今までのアベンジャーズって実はアベンジャーズではなく、このシーンがでて初めて、真の意味でのアベンジャーズになるのだなとしみじみ思わされる展開であった。

そうなれば「サノス今回よわよわじゃん」と思うかもしないが破壊力が凄まじかった。

キャプテン・アメリカの盾を割ったのだ。四次元キューブをつかった銃弾でも効かなかったあの盾が板チョコみたいに割れていく展開には度肝を抜かされた。

無限の石なしでこの実力だというところから他のヴィランとは格別に強くて見ごたえがあった。

とはいえ東京の描写が雑でホークアイの日本語が聴き取れなかったのは心残りだが僕は本作品がMCU作品のなかで一番好きな作品である。

 

 

まとめ

全体的に面白く、ハズレがなかった。これがMCUクオリティなのかと思い知らされた。去年12月の自分はまだMARVELに対して「みたいなー」という感情しか抱いてなかっただろう。『エターナルズ』を見ることに漠然としていたはずだ。

それが今となっては既成事実として存在している。未だに考えられないのが本心だ。

だがMCU作品を見た日々はとても楽しかった。見ることが苦痛ではなかったのがその理由になっているだろう。

アベンジャーズの物語は終わったものの、新たなヒーローが誕生し、そして新たなチームができるこれからのMCUの展開に期待したいと思う。

この紹介を読んで興味を抱いたなら是非、最寄りのレンタルショップで借りることをオススメする。壮大な多元宇宙の話が待ち受けているだろう。

 

 

 

 

 

 

【ラノベ】『純白と黄金』ライトノベルでヤンキーものは描けるか。

一つの可能性を信じて新着ラノベ『純白と黄金』を買った。

 

 

あらすじ

《純白の悪魔》それは最強と称された少年の異名。ヤンキーの聖地・東北で100人の敵を叩き潰した後でさえも彼のシャツには、返り血一つ存在しなかった。数多の伝説と偉業によりその名は全国に轟き、遠くない未来に全てのヤンキーが彼の舎弟になるだろうと囁かれていたが……ある日、彼は姿を消した。時は流れ、ヤンキー全盛時代。東京最大の喧嘩都市・猫丘区では第二の《純白の悪魔》を生み出すため、六つの高校が参戦する盛大な喧嘩が始まろうとしていた。そんな狂騒の最中、一人のオタクの少年が猫丘区に降り立った。名を安室レンジ。かつて圧倒的な力で東北の頂点に君臨し、ヤンキーを引退した《純白の悪魔》だった───(裏表紙より抜粋)

 

レビュー

面白くなかった。

物語の形としては「最強の主人公がそれを隠しながら日常を過ごすものの、最強故に事件に巻き込まれてしまう」というありがちな形。

本作品は一作目だからその流れはかなり多かった印象。正直言って長ったらしい。

主人公は制服は改造せず、目元まで髪を覆った、いわゆる陰キャ。不良高校に転校してきたとなれば皆彼にナメた態度で関わってくる。それを彼が圧倒的な力で倒すという流れなのだがこれをいつまでいってもやっている。

本作品のヤンキーたちはSNSを活用しており、度々チャット形式での会話描写がみられる。高校をしきっていたヤンキーがやられて「あの陰キャ強いぞ」と書き込む。周りは「馬鹿じゃないの?」などの嘲笑を込めたレスを送ってくる。

この流れはわかる。にわかに信じがたい話だから聞く耳をもたれないのも納得できる。

ただ、敵が主人公のオーラを感じて怖気づいたのにもかかわらず陰キャと言い続けて襲い掛かるのは何なんだろうか。

露骨に「勝てない」と言っている心情描写が中盤にあったのだ。だが終盤で「こいつを倒して状況を打開する!」とあたかも雑魚としてみている心情描写がある。

一貫性がない。これで都市を轟かせていた不良グループとか聞いて呆れる。まあ今後の方針的に「あいつはシリーズの敵のなかでも最弱…」としか書き手は思ってなさそうだがそこの一貫性をなくして警戒する姿勢をみせてくれればダサく見えずに済んだと思う。

そして設定。よくわからない。

まず何故ヤンキーの聖地が東北なのだろうか。

「東北 ヤンキー」とググってみた。でてきたのは「ヤンキーが多そうな県といえば?」というアンケートの結果だった。

2020年でのJタウンネットの投票結果では

 

1位:茨城県

2位:福岡県

3位:千葉県

4位:沖縄県

5位:大阪府

引用元「ヤンキーが多い県といえば?」再調査の結果がやっぱり圧倒的すぎて笑えない(全文表示)|Jタウンネット

 

まあ関東や九州、関西が持ち上がる。だが東北をヤンキーの聖地と呼ぶにはいささか想像しにくい。

やるなら関西なんじゃないのか?あと九州とか。というかそれ以前に聖地がデカすぎる。県に絞ってくれ。

作者が東北に縁があって、東北の描写がしやすいように聖地に設定したのだろうか。しかし本作品には東北の描写が一切なかった。理由は不明だが、とりあえず聖地が東北なのが謎。

あと必殺技ね。ダサすぎる。

まあそもそも何故ヤンキーもので異次元の必殺技があるのかは置いといて。「ホワイト・ワン・ショット」うーん…。読んでいるこちらが恥ずかしくなるような必殺技名。

これだけではない。「ゼロ・レーザー」パンチをレーザーと比喩しているのかな。なんかそう思うとこれもダサく見えてくる。

ヤンキーによって街が破壊されているスチームパンク的な世界観は純粋によくわからない。

High&Lowという作品がある。ギャング、高校、ナイトクラブが勢力争いをしている世界観は本作品と似ているがさすがにここまでではなかった。

やるならこの作品の世界観のレベルで留めてほしかった。

 

本作品の良いところといえば女キャラのビジュアルだろうか。ここら辺はイラストレーターのももこさんに「あっぱれ」と言いたい。とにかく可愛い。

申し訳ないが全部読み続けられたのも挿絵のヒロインが可愛かったからだ。むしろ作者が画力に味をつけているようにも思えてくる。

コスプレとかね。あのイラストレーターに猫耳メイドのコスプレした女キャラ描かせたら敵わないでしょ。挿絵を見たらそれまでこの作品に抱いていた不快感がちょっと緩和された気がした。

 

そして僕はこの作品にある可能性があると信じて買った。

それは、

 

ライトノベルでヤンキーものは成立するのか。

 

ライトノベルにおいてヤンキーのキャラクターはいてもヤンキーの世界を描いた話はそうそうないと思う。

アンダーグラウンドを舞台にした作品はある。『池袋ウエストゲートパーク』とか『ヤングガン・カルナバル』などがこれにあたるだろう。

だがそのなかでヤンキーに焦点をあてた作品は見たことがない。あるなら教えてほしいというくらいない。

 

おそらくヤンキーは漫画で描かれていることが多く、それ故作家たちも手出ししにくい存在なんだと思う。

だからこそ本作品には大いに期待した。もしかしたらヤンキーものをライトノベルで描くことができるのではないか、と。

 

結果:無理だった。

 

そもそもヤンキーってなんだったっけ?と思ってしまうほどにヤンキーものから逸脱していたのだ。

キャラクター達のメンタリティはヤンキーのそれなのだがビジュアルが最早ヤンキーではない。

他の異能力系のライトノベルと大差ないビジュアルをしている。

 

そうではないでしょ。仮にもヤンキーならもっとドぎついビジュアルしなよ!

 

とか思っていたのだが結局異能力系だった。拳から風は出るし、1秒間に30人気絶させるし。

だったらこのビジュアルは納得がいく。同時にヤンキーとは何かわからなくなるが。

 

でもこればかりは仕方ないんじゃないかと思う。ライトノベル読んでいる人からすると、クローズのようなごっついビジュアルに場違い感を覚えてしまう。今までバトルものとはいえファンタジーだったり異能力系が多くを占めていたからだ。

ラノベ読者層の支持にするためにはアニメよりの美男美女ビジュアルにする他なかったんだと思う。

異能力も入れるしかなかったんだと思う。ラノベというのは設定が斜めっている作品が多いのだ。勇者魔王ではなく回復術士や鍛冶屋を題材にした作品が多い。

これは僕個人の見解なのだがライトノベルはそういうような一癖ある作品が多いのだ。

ただただヤンキーの抗争を描いたら「それ漫画でやりなよ」と思われる。だからそこに異能力をつけることで読者が親しみをもてるような作品にしたんだと思う。

 

ヤンキーものでもライトノベルの型にはめるように作るとヤンキーから程遠い話になる。それを理解できた点で本作品はかなり参考になったと思う。

 

まとめ

面白くなかった。サブ要素のラブコメが生命線なんじゃないかと思うくらい面白いと感じなかった。作者は後書きにヤンキーに対する想いを綴っていたが本当に解っているのかなと思ってしまう作品だった。とはいえ、僕自身もヤンキーを語れるほど作品を見ているわけではない。

でもあきらかにこの作品はヤンキーからかけ離れている作品だということはわかる。

この作品を通してヤンキーがなんなのか分からなくなった。

『クローズ』と『デメキン』、読んでみようと思う。

 

 

 

【映画】孤狼の血 LEVEL2

TSUTAYAのTカード更新した恩恵で最新作孤狼の血 LEVEL2』を無料で借りた。

 

 

あらすじ

3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれ殺害されたマル暴の刑事・大上の後を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡松坂桃李)。

しかし刑務所から出所した”ある男”の登場によって危うい秩序が崩れていく…。

やくざの抗争、警察組織の闇、マスコミによるリーク、身内に迫る魔の手、そして圧倒的”悪魔”=上林(鈴木亮平)の存在によって、日岡は絶体絶命の窮地に追い込まれる…!(公式サイトより抜粋)

 

レビュー

言葉で形容しがたい作品だった。面白かった面白くなかったではなく作品見終わってから出てくる第一声は「凄かった」という作品。

まず日岡


f:id:wataizu:20220119205208j:image

 

前作とは一変して坊主頭にサングラスというエリート刑事としての面影がなくなったビジュアル。前作の終盤で意志を受け継いだことがビジュアルから鮮明に表されている。また尾谷組から感謝料として多額のお金を封筒で受け取るところも大上そっくりである。

このように大上のやり方を受け継いで何とか裏社会の均衡をしきっている彼の前に現れるのが鈴木亮平演じる上林。


f:id:wataizu:20220119205104j:image

 

広島広域指定暴力団「五十子会」の腹心で歯向かう者は躊躇せずその場にあるもので抹殺する悪魔。ビジネスに進出しつつある組織で抗争の末亡くなった会長の仇をとろうとしている保守派。

こいつがとにかくヤバい。引くほどヤバい。『ダークナイト』のジョーカーを彷彿とさせるくらい手ごわく非情。人の心はなく自分を出迎えてくれた人でも反抗したら即座に殺す。命の重さは平等で「女だから…」とかで温情をかけるとか一切しない。

予告編で日本映画史上最悪といえるのも納得できる。

そんな二人の駆け引きはとても見ごたえがあった。初対面での一触即発の空気感のなかで織りなされる会話や終盤の死闘等が息をするのを忘れてしまいそうなほど激しくて魅入っていた。

物語の展開も良かった。どんでん返しが遅いようにも見えたが裏切り者が自らの相棒だということをだれが想像するであろうか。完全に不覚だった。中村梅雀、コンフィデンスマンJPみたいなことしているなと見終わった今、思っている。また、尾谷組にも恨まれているであろう日岡が尾谷組と仲良くしているということにもちゃんと深掘りされていたのでとてもありがたかった。

だが前作ほどの面白さはないと思った。と、いうか前作が強すぎたのだ。

前作はマル暴の大上と広島大学出身のエリート学歴の刑事の日岡がバディを組み暴力団同士の抗争を収めようと奔走する話。

大上主体で行われたこの物語は大上の死によって日岡主体の物語になる。

この展開はズルい。大上が過去に集めていた警察上層部の不正を纏めたファイルを抱えて歩くところは大上の意志を受け継いだことを彷彿とさせるし、何しろ仁義がまかり通った非情な世界で感情を以て行動しているキャラクター達に惹かれる。

尊敬の念があったから大上の意志を日岡が受け継いだり、スナックのママに愛情があったからこそ尾谷組組員がママを抱いたといきがっている加古村組員を殺しにかかったりしていた。そんな感情に忠実な者たちが織り成す物語が、他のヤクザを題材にする映画とは一線を画してしてとても面白かった。

そしてラスト。大上の愛用していたジッポでタバコを吸うところで話が終わる。

このラストほどかっこいいラストはないと思う。

ちなみに本作品のラストは交番勤務になった日岡が狼を目撃して追いかける形で終わる。このシーンは中盤の錦船(吉田鋼太郎)が日岡に言った「狼はこの世から消えた。強くなりすぎて人間から排除されたのだ。強くなりすぎるのも考え物だな」というセリフに関連している。

裏社会を一人でしきっているところから狼と自身を照らし合わせていた日岡にとって、いないと思われていた狼がいるという事実は「自分がちゃんと存在している」という

証明になるから探していたとは思うのだがこれはこれでよいとは思う。

僕が言いたいのは「とにかく前作が良すぎた」ということ。

本作は前作と違いベクトルを変えて愛や情といったものを切り捨てた非情な世界観の話だったがこれはこれで良かった。

ただ、悪いところを挙げるとしたら西野七瀬の演技が下手なところ。

あれは人選ミスだな…。前作の真木よう子が良すぎたんじゃあ!スナックのママでも今回はヤンキー風で攻めてきたのかもしれないけど妖艶な雰囲気を出せる女優の方がよかった。妖艶な女優大体演技いいから。

まだフレッシュな役が多い人をああいう三分に一回血がでるようなアダルトな作品に出すべきではない。

白石和彌監督は西野七瀬を「ベテラン女優」と思っているのかな。こういう言い方は申し訳ないが昨日今日出始めた女優をベテラン女優と思わない方がよい。そこが作品を通して唯一引っ掛かった点である。

 

まとめ

凄かった。いろいろ感想を述べたが僕はこの作品、かなり面白かったと思う。

ヤクザ×サイコパスという救いようのないくらいやべえ敵に対して相応しい俳優、相応しい対決、相応しい演出してくれた制作陣に賞賛の意を贈りたい。

既に本作品は続編「孤狼の血 Level3」の製作が決定している。本作の最後は組織での連帯責任を重んじる暴力団対策法の施行により暴力団が一斉検挙されていた。

そのあとの世界とすると前作ほどの勢いが出せるかがどうかが心配である。

『ヤクザと家族』のような衰退をテーマにした物語にならないことを願いながらひとまず続編公開を待つことにしよう。

 

 

 

【映画】ワイルド・スピード/ジェットブレイク

どうも、wataizuです。

 

今日はあのカーアクションで有名なシリーズの最新作をレビューしたいと思います。

 

レティ(ミシェル・ロドリゲス)と幼い息子のブライアンと共に穏やかに暮らすドミニク(ヴィン・ディーゼル)の前に、実の弟ジェイコブ(ジョン・シナ)が刺客となって現れ、次々に攻撃を仕掛けてくる。かつての宿敵サイファー(シャーリーズ・セロン)ともつながるジェイコブは、ある恐ろしい計画を実行しようとしていた。彼らの陰謀を阻止するため、ドミニクはファミリーと一丸となって立ち向かう。

ワイルド・スピード/ジェットブレイク (2021):あらすじ・キャスト・動画など作品情報|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

 

今日レビューする映画はこれほど”ファミリー”という映画はないだろう!

ワイルド・スピード/ジェットブレイク』です。


f:id:wataizu:20220110130819j:image

 

本作品は『ワイルド・スピード』シリーズの最新作になります。

私、このブログ始めた頃からワイスピは一作目からずっとレビューしているんですよね。

 

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

wataizu.hatenablog.com

 

よくよく見てみるとブログの書き方も変わってきているのでよかったら是非!!

 

で、このシリーズはどういう作品かというと「世界の危機を”ファミリー”と一緒に車で救う」という話です。

最初はそうでもなかったんですよ。主人公のブライアンとドミニクがマフィアのドンなどの「業界の悪者」をその国で仕入れた速い車を使って倒すという話だったんですよ。

MEGAMAXやEUROMISSIONからですかね…国のネットワークを牛耳れる兵器を持つ「世界の悪者」を倒す話になっていきましたね。

 

そしてここから車の使い方も荒っぽくなりました。

ただでさえ速い車にニトロなどをつけたりしていたのですがこの頃から車をハッキングして雪崩のように駐車場から落としたり、車で空を飛んだりするようになりましたね。

この大胆な使い方も魅力の一つですが最大の魅力は「展開がアツい」ところですかね。

 

このシリーズ、前半は作品ごとで出てくるキャラが別だったのですが後半からはそのキャラクターたちが集結してくるんですよね。

作品を知っているからこその面白さが後半から一気にくるのでアツいんですよね。

そして敵だったやつが共闘したり仲間になったりするので男の子からするとかなり興奮する作品かもしれませんね。

 

そして9作品目の本作には敵としてジェイコブが出てきます。

ドミニクの妻、レティは言います。

 

あのジェイコブが…!

 

どのジェイコブだよ!そもそもジェイコブって誰だよというところに落ち着くでしょう。

ジェイコブというのはドミニクの弟です。シリーズ初登場ですね。


f:id:wataizu:20220110145229j:image

 

まあここは身内をあとからバンバン追加するワイスピ制作陣の十八番ですね。今まで弟がいたみたいなセリフ聴いたことないので当然我々も初耳。

そんな影うっすい弟君がどおしてドミニクの側に居なかったのか、そしてドミニクのパパの死の真相などがわかるのが本作品の主な魅力になります。

 

あらかたの説明が終わったのでレビューしていきましょう。

 

ストーリー性

再会多くすればそりゃ興奮するって!

最早お決まりのファミリー集結シーンに加えて今回はMEGAMAX以来の同窓会をしたんですよね。

お前今何してる?的な感じで過去作で出てきてもう出ないであろうキャラクターがここにきて出てきたので燃えましたね。

その代表的な人はこの人!


f:id:wataizu:20220110144636j:image

 

ハンですね。三作目『TOKYODRIFT』の名脇役にしてドミニクのファミリーの一人ですね。

東京のストリートレース界の頂点にいるD.K(ドリフト・キング)の仲間だったのですが、主人公ショーンの命を救ったことで彼の野望に協力しD.Kに対抗するというキャラクター。

 

個人的にハン、一番好きなんですよね…

 

『TOKYODRIFT』で見せた理念がとても好きで。

作中でハンはショーンに自らの愛車をプレゼントするんですよね。でもドリフトを練習していた半人前のショーンは車を壊してしまうかもしれない。ショーンはハンにその旨を伝えるとハンはこう答えるんです。

 

信頼できる奴が欲しい。金はあるし、人の本性は、付き合えばわかる。そいつを知るためなら車をあげるなんて取るに足らない。

 

ここ!!ここなんですよ!こんな大局的に物事を考えられるデカい男になりたいですわ…

そして立ち振る舞いもかっこいい。クールでいつもスナック菓子を食べているという強キャラ感ある設定。

ドミニクのもとにいたとき口数が少なく、脇でスナック菓子を食べているその姿かっこよすぎたので『TOKYODRIFT』で死んだときはショックでしたね。

 

死んだと思っていたキャラがでてくれる時点でもう配点高いです。

結局主人公のショーンもでてくるのですがやっぱりファミリーだったってこともあってかなり興奮しました。

 

で、同窓会シーンの何がいいって「再登場したキャラクターと縁のあるキャラクターとの再会の重さ」なんですよね。

ハンと縁のあるやつといえばドミニクとショーン。

目が合ったとき、どのような言動を示すのかがもう気になりすぎて固唾を飲んでみてしまうんですよね。大体の再会がハグで始まるのですがそのハグが重くて胸にクるものがあるんですよね。

そこもしっかり描写されていたので感無量でした。特にハンとショーンのハグが個人的に好きです。

 

作中における疑問も作中以前における疑問も解決してくれる懐の広さ

作中における疑問はいくつか序盤で浮かび上がります。

 

①何故ジェイコブが今まで一切姿を現していないのか。

元々設定として作る気なかったから…

といってしまえばお終いですがちゃんとした理由が欲しいですよね。あそこまで名前があげられないからそれ相応の理由があるであろう。

 

結果:ありました。

 

はえ…なるほどな~という感想です。最初、お父さんを殺したのはジェイコブだったということを知って「ジェイコブサイッテーーー!赦せない!」という感想だったのですが借金返済を要求されていたという背景がわかるにつれて「お前も色々あんだな」というような同情の念が浮かび上がってきました。

「なら相談すればよかったのに!」とドミニクは言うのですが言えっこないよ…って感じですよね。下手すれば殺されるかもしないですからね。仕方ない。

 

②何故ジェイコブはドミニクを恨んでいるか。

ここね。序盤、本作のもう一人の敵であるサイファーに囃し立てられるシーンでわかるのですが恨む要素なんにも思いつかないから「は?」となる。

でも段々と父の死の真相が明らかにつれて感じ取れるようになってきます。

こちらもよく描けていました。

 

③何故ハンが生きていたのか。

ここね。上二つの疑問よりもなんやかんやいって気になる疑問。

『TOKYODRIFT』のカーチェイスで爆発に巻き込まれて死んだハン。あれは確実に致命傷でしょ!とは思いましたが個人的には「胡散臭いな…」と思っていたんです。

それが今回爆発から逃れたということで姿を現した。

 

何故?

 

というのは当然皆さんの心にあると思いますが結果から言えばあの答えが妥当だったんだなと思いました。

リアルに抜け出したところでそれはそれでハンがダサく思えてくる。曖昧でファンタジーに済ませた方がそれを明かすハンのキャラ性が傷つかなくて済むので「マジック」が一番妥当なんじゃないかなと思いました。

 

④ブライアン今何してる?

これは作品以前の疑問ですよね。

『SKYMISSION』までの作品(『TOKYODRIFT』を除く)でドミニクと共に歩んできた主人公ブライアン。

でもブライアン役のポール・ウォーカーの事故死でその後の作品が出れなくなりました。

でも気になる。気になってしまう。

 

あいつ今何してる?

 

と。

そして本作ではブライアンの妻にしてドミニクの妹、ミアがでてくる。

なんで奥さんの方がでてくるの⁈というとジェイコブが敵なんでしょうね。家族の問題だから、という形で出てくるあたり出し方上手いなと思うのですがその間に「子供はブライアンに預けている」とちょっとブライアンに触れているシーンがあったんですよ。

ドミニクと張り合えるほどのドライバーがイクメンに転身⁈と思いますが最後ド派手に登場してきたところで映画は終わります。

 

車だけだったのですが描写としては最高だったと思います。そのあとの展開は視聴者の妄想に委ねる…というのが一番きれいな形でしょうね。

ブライアンの代名詞ともいえるR34型GT-Rがドミニク邸に颯爽と現れるんですけどああいう形が一番ウルってきますね。車から降りて後ろ姿出されたらそれはそれで興奮するかもしれないですが「ポール・ウォーカーの弟か~」みたいな思考が脳裏をよぎる。

ああいう出し方が最もいい出し方だと思いましたね。

 

キャラクター性

サイファーを生かす意味

本作の敵は勿論ジェイコブ。でも協力者がいるんですよね。それが


f:id:wataizu:20220110144919j:image

 

サイファーですね。もう既出キャラでして『ICEBREAK』に出てきましたね。

ハイテク技術を使ってとにかく全世界掌握したい人。

車をハッキングして雪崩のように落とす…みたいなことをしたりドミニクを仲間にしたりと中々の強敵ぶりを見せたのですがドミニクが裏切ったことで計画が頓挫され結局逃亡しました。

 

で今回は前半ずっとアクリル板のケースみたいな檻に入ってジェイコブや彼の協力者でやけに金持ちアピールしてくるボンボンを煽り立てていたのですが、後半ジェイコブを裏切りボンボンと手を組んでドミニクをジェット機で追撃してきましたね。

まあ結局返り討ちに遭うのですが問題はこの後。

 

実は遠隔操作ってオチだったんですよ。

 

まあサイファーというキャラクターは直接手を下さないボス的存在なので性に合わないのはわかる。

なら遠隔操作している場所を突き止めて「み~つけた☆」みたいな感じでレティがぶん殴る…みたいなのもアリだと思うんです。

とにかく三作引きずる敵キャラではないです。

毎度毎度ああいうやられ方するとどんどんと陳腐になってくるんですよね。

 

ダース・ベイダーみたいなインパクトがあれば話は別ですよ?まああれは見た目のインパクト凄いし毎回傍若無人な振る舞いをして爪痕残すので三作通しての敵として成立しているんですよね。

 

あいつにそんな魅力はないです。

 

ドミニクが本格的に敵に回れば三作はいけると思うのですが『ICEBREAK』で既に敵に回ったので難しいですね。

 

女性陣の見せ場多くて◎

ワイスピって作風やジャンルから男性の活躍が多い作品なんです。

でも多様性求められる現在、その在り方は議論視されているんですよね。

 

発端となったのはレティ役のミシェル・ロドリゲスが脚本の書き直しを要求した話。

レティはドミニクの妻なんですけど読んだ時点の脚本では飾りのような恋人キャラになっていてブチ切れたらしくて。「深みのあるキャラを作ってくれないと役を引き受けないわ」と宣言して本作の脚本になったらしいのですがレティやミア、ラムジーのシーンが多くなっている。

 

特にレティ。なによりもドミニクと子供のことを考える家族思いな一面が引き出されている。今回においてはドミニクよりも行動力ありますからね!

アクションもかなりよかったです。レティのアクションはスカイミッションのときから凄いと思っていたのですが今回はその真骨頂でしたね。

ガタイの良い男たち相手に拳で圧倒する姿は見ていて爽快でしたね。ミアとのコンビネーションも絶妙でなんやかんやいってワイスピで一番好きなアクションだと思っています。

 

ミアも珍しくアクションを見せていたり、ラムジーも大型車を運転したりしているなど、各々見せ場が沢山あったのでそういった点でもこの作品はシリーズの転換点ともいえるべき作品ともいえます。

 

演出

東京の描写が雑すぎる。

あれなんですかね、監督は東京行ったことないんですかね。写真で見て「こんな感じでしょ」と作った感が半端ないんですよね。

 

とりあえず文字をネオンで照らしとけばいいと思っているんですよね。

 

それは東京って言わなくてもできるんですわ。そして文字を照らしている店しかないじゃないですか。でも日本の店の看板って文字をネオンで照らして看板にしている店ばかりじゃないと思うんですよ。

そこのリサーチ力が皆無。偏見で描いているんだなと日本の人からしたらそう思ってしまいます。

 

そしてラーメンね。ビジュアルがワカメスープ。

お金あるんですよね?なら職人に監修してもらいなよ!なんでそういうディテールに手を加えようとしないのかな…

そしてレティ。箸でつつくだけなら食べないでもらえます?結局ビール飲んでいるだけだし。

 

ひょっとして視聴者の層に日本人は除外されている?と思ってしまうくらい雑に描写されて極めて不快でした。

どうやら制作陣の東京は『TOKYODRIFT』の2006年で止まっているらしいです。

 

総評

面白かったです。アクション、展開などは相変わらずのワイスピクオリティで飽きずに見れました。

ただ次作で東京を描く際はくれぐれも気を付けて、細部にこだわって描写してほしいと思いました。

僕としてはホブスを見たいですね。ドウェイン・ジョンソンは出ないと言い張っているけどやっぱりホブスの兄貴感半端ないのでもう一度見てみたいですね。

次は2023年だそうで。のんびりと待ちたいと思います!

 

 

Twitterやってます!フォロー気軽にどうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「Step Back」のなかに秘められた弱さ

どうも、wataizuです。

 

aespaファンになってから約二週間が経ちました。

未だ熱冷めず。ウィンターちゃんの動画を見て一日を始めている毎日なのですが、1月1日にaespaが所属する事務所であるSMエンターテイメントによるライブ「SMTOWN」が開催されました。

 

aespa、BoANCTなど事務所に所属するアーティストがパフォーマンスを行うライブなのですがこのライブで新たなガールズグループが産声を上げました。


f:id:wataizu:20220105121151j:image

 

GOT the beatです。

 

SMエンターテイメントのガールズグループから人気な女子達を招集して作られた、まさにGirlsOnTop。映画でいうところのアベンジャーズ

aespaからは我らがウィンターちゃん(右端)とカリナちゃん(左端)。「タクシタクシタクシ…」で聞き覚えがあるであろう少女時代からはヒョヨン(右から三番目)とテヨン(左から二番目)。RedVelvetからはウェンディ(左から三番目)、スルギ(右から二番目)そしてソロアーティストでaespaの「Dreams come true」のMVをプロデュースしたBoA(中央)の七人。

 

aespa以外知らん!!

 

というのが本音になりますがこのグループがSMTOWNで曲を披露しました。

それがこの曲。

 


www.youtube.com

 

Step Backです。

 

少女時代やBoAなど日本デビューしているアーティストはいるものの、全編英語と韓国語で構成された曲になります。

この動画、SMTOWNで初出しされたときよりも冒頭の部分が削除された動画なのですがそこの演出がリアルタイムで見ていた勢からするととてもよかった。


f:id:wataizu:20220105123525j:image

 

教徒がシルエットに写る崇高な七人を拝めている図。これは息飲みますよ!

この崇め!奉れ!と言わんばかりの図に圧倒されている暇なくパフォーマンスがはじまるのですがこの曲、かなりヤバい。

 

まずパフォーマンス。至高の七人を集めて踊らせたらそりゃすげえって…

おいしいものとおいしいもの、組み合わせると、不味くなるときがたまにあります。

例えばショートケーキ+マグロの刺身。生臭さと生クリームの極端な甘さが互いを潰そうとして、結果ゲテモノになる。

それ極端だろ!と思うかもしれませんが僕からしたらGOTはそういう認識です。

 

異なる芸風のアイドルグループのメンバーが集まって一つのグループになってパフォーマンスする。こちらからしたらスイーツ、魚料理、肉料理がごちゃまぜな感じです。

 

でもパフォーマンスは一つの料理になっていた。

 

各々のダンススキルと適応力が高かったんだろうと思います。各々が曲調とダンスを理解し、同じ方向に向かってパフォーマンスしているからこそ一つのものになっているんだと思います。

化学反応ですよね…

 

そしてウィンターちゃん。


f:id:wataizu:20220106131659j:image

 

ちょっと!ネクレベポーズしてるじゃん!!!

ああもう!


f:id:wataizu:20220106132630j:image

 

でもこの曲、今物議を醸していて。

 

歌詞ドS過ぎ問題。

 

ということが今起こっているんですよね。

「Step Back」は和訳すると「後退」。この曲自体「プライドの高い女性を直球的な言葉で描いている」と紹介されていたので気になって歌詞をGoogle翻訳全面行使で翻訳したんですよ。

 

歌詞直球過ぎましたね。意味がいまいちわからないGoogle翻訳でも「私の前に立たないでください」とかちゃんと意味通じる文章ができますからね。比喩が全くない。清々しいくらい恋敵をディスる歌詞なのですがやっぱり賛否両論ある。

 

肯定側は「凄い…」「いやあんな女の子に”Step Back!”って言われたら大人しく後退するしかないよなw」などただただ圧倒されていますが否定側は「なんでこんな古臭い歌詞唄わせたかな…」「こういうのは推しに歌ってほしくないな」などの意見が多数ある二極化状態。

 

ん?僕ですか?

 

バリバリの肯定側です。

 

だって…興奮しません?僕は男なので推しが「この男はレベルが違うのよ」とかいっていたらもうニヤニヤしてしまうますわ。

 

是非言っていってほしいですよね。

 

ウィンターちゃんが僕を狙っているという設定で(おい)、他の女の子が接近してきたときにウィンターちゃんが女の子を僕のいないところで「私の男はアンタなんか見向きもしないわ」なんていってほしいですわ。あのメンツで一番言わなそうだけどでも言ったらそれはそれでギャップがあって興奮しますわ。

 

そしてこの歌詞、捉え方によっては弱気な歌詞に見えてくると個人的には思っていて。

 

自分の狙っている男が他の女子に狙われている…という状況下で「アンタなんか無理よ、不釣り合い」といっている。

でもワードセンスがほぼ罵詈雑言。どこか褒める間もなくただただディスる

 

もしかして必死になっているのではないか?

 

と思っちゃうんですよね。劣勢を強いられていてそれで語気強めになっているように思えてくるんですよね。余裕があったら「確かにあなたは~なのかもしれない」と多少なり相手を立てると思うんですよね。

 

そう思うと案外可愛い。

まあでも否定側の気持ちもわかります。特に韓国の方々に限っては翻訳しなくてもいいので初見で歌詞が入ってくる。困惑するのも無理はないでしょう。我々のような異なる言語の人間は初見で見てもわからないのでパフォーマンスに見とれてしまう。歌詞なんかあとから聴いてもパフォーマンスいいからという感じで気にするまでもなくなる。

僕もその類なんでしょうね。今じゃ1日10回ペースで聴いています。

 

いかがだったでしょうか。そして「Step Back」にどのような感想を抱いているでしょうか。否定、肯定、さまざまな意見があると思います。

でも僕はこの歌詞の強気な姿勢、そしてそのなかにほんの少しある弱気を含めて愛でたいと思います。

気になった方は下に日本語訳された歌詞動画があるので見てみるとよいかもしれませんね。

 


www.youtube.com

 

Twitterやっています!よければフォローを!